今日、8月24日は私が偏愛する歌人、若山牧水の誕生日だそうで、大の酒好きだった歌人にちなんで、今日を愛酒の日と称しているそうです。
歌人の中でも若山牧水ほど多く酒の歌を詠んだ人も少ないでしょう。
白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒はしずかに 飲むべかりけり
この歌は、おそらく和歌史上、最も優れた酒の歌でしょう。
膳にならぶ 飯しも小鯛も 松たけも 可笑しきものか 酒なしにして
酒がない食事など食事じゃない、と言っているようなもので、酒好きの私には腹に落ちますねぇ。
酒があると肴はより旨くなり、肴が旨いと酒はより旨くなるのですよねぇ。
減量中の私には残酷な歌です。
人の世に たのしみ多し 然れども 酒なしにして なにのたのしみ
ここまでくると、なんだか意地汚い感じがしますねぇ。
酒に勝る楽しみは何もないというのですからねぇ。
彼は酒毒にあたって43歳で亡くなりますが、アルコール中毒で苦しんだという話は聞いたことがありません。
多分アル中になる前に肝臓がやられて死んじゃったんでしょうねぇ。
死んでも飲みたいとはまさにこのこと。
酒ほしさ まぎらはすとて 庭に出でつ 庭草をぬくこの 庭草を
これが歌人最後の歌となりました。
多分医者や家族から酒は控えるように言われて、草むしりなんかして気分をまぎらわせようとしてみたんでしょうねぇ。
歌人の草むしり姿を想像するに、笑うに笑えず、泣くに泣けない、切ない風情でしたでしょうねぇ。
私もブログのタイトルを「うつと酒と小説な日々」としているくらい、酒を好みます。
しかし度を越えた酒は不味いばかりなので、日本酒なら三合、焼酎ならロックで三杯が適量で、それを越えると翌日に響きますので、控えるようにしています。
酒は適量ならおいしく、食欲もわき、心がリラックスして気持ちが良くなります。
最近ではすっかりなくなりましたが、昔は職場の人と軽く一杯、と出かけて、そのまま深酒になるということがよくありました。
今では考えられないことで、きっと多くの居酒屋やスナック、バーなどは不況に苦しんでいることでしょう。
私も二十代までは大勢で飲む宴会が好きでしたが、今では面倒くさくて仕方ありません。
30を過ぎてからは、家に帰ってゆっくり風呂につかり、夏なら甚兵衛なんぞ着てエアコンをがんがん効かせ、もういつでも横になれる、という状態で静かに飲むのが、至福のひとときですねぇ。
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