もうあんまり中国のことは書きたくないんですが。
中国の漁業監視船が尖閣諸島付近のわが国領海を侵犯したそうですね。
今回は公船。
民間の漁船よりも事態は重大です。
中国に言わせれば、中国の領海だという理屈になるのでしょうが、明らかに日本を挑発して様子を見ようという意図がうかがえます。
以前、海上保安庁の船に体当たりしてきた漁船は、体当たりしてきたからこそ、公務執行妨害罪で船長らを逮捕できました。
しかしただ領海侵犯しただけでは、わが国は出ていくよう要請するだけで、なんらの実力行使もできないんですよねぇ。
これは領空侵犯も一緒ですが、中国の戦闘機や爆撃機がわが国上空に飛来しても、相手が銃撃してくるとか、爆弾を落とすとか、明らかな侵略行為を犯さない限り、自衛隊機はまるで敵機を守るかのように並んで飛び、領空から出ていくまで、出て行ってくれという信号を送り続けることしかできません。
冷戦時代には、毎日のようにソビエトの軍用機がわが国の領空を侵犯していたことはあまり知られていません。
ソビエトなんて、大韓航空機のような民間旅客機でさえ、領空侵犯すれば撃墜するというのに。
ていうか、わが国の対応が特異で、領空侵犯を犯した場合、速やかに立ち退かなければ撃墜されても仕方がない、というのは国際的な常識です。
要するに法の不備ですねぇ。
本来なら法律で領空侵犯や領海侵犯があった場合、どのような措置を取るか明記すべきところ、そういう法律がないので、相手が暴力的な犯罪行為を犯さない限り、拿捕もできないというわけです。
いわゆる有事立法も、今回のような危険度が低い場合の法律も、整備されていません。
これから数年のうちにわが国がどこかの国から侵略を受けたり武力攻撃にさらされる危険性は極めて低いと思いますが、10年後、20年後、さらには100年後、国際情勢がどうなっているかなんて、誰にもわかりません。
とりあえず紛争に巻き込まれていない今のうちに、有事の際、また領空・領海侵犯があった際にどういう行動を取るかを、法で整備しておかなければなりません。
そうでないと、上空に爆撃機が大挙して飛来してから、国会であの爆撃機をどうしようか、なんて話し合っているというマンガみたいなことになりかねません。
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