認知症

社会・政治

 フランスのシラク前大統領が認知症にかかり、会話もおぼつかない、というニュースが飛び込んできました。
 シラク前大統領といえば、ド・ゴール主義の保守政治家で、そのバイタリティは日本でいえば田中角栄中曽根康弘を足したような感じ、米国でいえばレーガン元大統領のような感じで、1995年には核実験禁止条約発効直前に核実験を繰り返し、イグ・ノーベル平和賞を受賞するという不名誉を受けたタカ派でした。

 また、大の親日家で相撲好きでも知られ、来日回数は50回を超え、パリ市長時代と大統領時代にそれぞれ大相撲パリ場所を主催しましたね。
 学生時代に東洋文化専門の博物館に通い詰め、日本への憧れを募らせたそうで、日本に滞在していると、自宅にいるような気分で心からリラックスできる、とまで言ったそうです。
 元横綱、貴乃花から綱と軍配を贈られ、子どものように喜んだとか。
 場所中の在日フランス大使館員の重要な仕事は、毎日取組結果をエリゼ宮に報告することだったというから驚きです。
 特に立会前の仕切りに相撲の神髄があるとし、仕切りの時の力士ほど、眼光鋭い者はない、と言って、単なる格闘技としてではなく、精神文化としても高く評価していたそうです。
 来日時、通訳が土偶を埴輪と訳し、それを訂正するほど、日本文化にも通じていました。
 政治家としても常に日本を重視し、「日本のいない安保理は馬鹿げている」と言って強く日本の安保理常任理事国入りを支持しました。

 78歳。
 あのような旺盛な政治家でも認知症にかかるんですねぇ。

 そういえばレーガン元米国大統領も晩年認知症を患いました。
 フォークランド紛争や湾岸戦争を強力に推し進め、鉄の女と言われたサッチャー元英国首相も今、認知症に苦しんでいると聞きます。
 シラク前大統領の前任、ミッテラン元仏大統領は今はありません。
 ドイツ統一を成し遂げたコール元独首相は今、車いす。

 人生、一寸先は闇ですねぇ。

 東西冷戦を勝ち抜いた自由主義陣営の指導者で、今も矍鑠としているのは、93歳の中曽根元総理だけ。
 しかもこの人、今だに新聞や雑誌に論文を寄稿したり、テレビに出演して国を憂えたり、まだまだ生臭さが抜けません。 

 中曽根先生、在職中はマスコミから軍国主義の悪魔のように叩かれていましたが、初めて衆議院で自民党が300議席を超えるなど、国民から圧倒的支持を受けていました。
 私は当時も今も先生を深く尊敬しています。

 私も中曽根先生のように、人間とは思えないような力をもちたいですねぇ。
 

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