不思議ですねぇ。
近頃のTPP交渉をめぐる議論。
TPP交渉に参加すべきだとかすべきではないとか言っていますが、TPP交渉にわが国が参加するには、すでに参加を決めている9カ国が同意しなければならないわけです。
つまり、日本はTPP交渉に入れない、と言われる可能性だってあるのに、手を挙げればすぐにでも入れてもらえるような前提で話をするのは、傲慢の謗りを免れません。
また、TPP交渉に参加できたとしても、それが即TPP加盟を意味するものではないことは自明の理です。
あくまで交渉のテーブルにつくというだけのこと。
わが国にとって受け入れがたいものであることが交渉によって明らかになれば、加盟を見送れば良いだけの話です。
交渉のテーブルにつくことさえできないというのでは、あまりに頑なというものです。
わが国ほど自由貿易の恩恵をこうむってきた国も珍しいでしょう。
それが自由貿易に関する交渉に参加しないなんていうことは馬鹿げています。
よく農業が壊滅的打撃を受けると言いますが、9カ国すべてが同じ土俵に上がるという話で、それぞれの国が得意な産業、不得手な産業を抱えています。
例え自国の産業の一部が打撃を受けてでも、貿易の自由化を促進することは消費者にとってメリットがあり、長い目で見てグローバル社会が進むべき道であることは、時代の趨勢を見れば明らか。
そしてTPP交渉参加国すべてが、最初は自国の不得手な分野を保護しようと主張しあうでしょう。
わが国も主張すべきです。
譲歩できることとできないことを密かに決めておいて、少しずつ外交カードを切ったり譲歩したりというパワーゲームは、おそらく3年や4年続くでしょう。
であるならば、少しでも早くパワーゲームに参加したほうが、物事を有利に進められるというものです。
いずれにしろTPP交渉への参加は、国家100年の大計に関わること。
傍観していては、不得手な分野のみならず、自動車や家電などの得意分野をも殺してしまうことになりかねません。
交渉に参加するかどうかを議論している場合ではありません。
交渉には当然参加して、加盟するかどうかはその後に決めればよいのです。
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