中国女児見殺し

社会・政治

 今欧米を中心に、中国で交通事故にあった女児を、多くの中国人が助けようとも救急車を呼ぼうともせず、見殺しにしたことを非難する論調が高まっています。
 中国マスコミも、自国民のモラルの低下を問題視する報道をさかんに行っています。

 しかし私は、とても見殺しにした中国人たちを責める気にはなれません。
 私とて、その場に居合せたなら、見殺しにした可能性を否定できません。

 わが国では、親が子を虐待し、その事実を児童相談所や近所の人が知っていながら、ゆるい対応で子を死に至らしめてしまう事例がたくさん報告されています。

 例えば隣の家から、子どもの激しい泣き声や親のどなり声が毎日のように聞こえてきた場合、警察や児童相談所に躊躇なく通報するでしょうか。

 私は一度、私が住むマンションから子どもの泣き声が30分ちかくも続いた時、警察に通報しました。
 幸いそれは虐待ではなく、親が子を留守番させていただけで、子は暗くなって寂しくなり、泣いていただけでした。
 しかし私にしてからが、30分間も通報しなかったのです。
 また、マンションに住む他の人々は、私の同居人も含めて、通報しようとしなかったのです。

 私は怖ろしいと思いました。

 もし激しい虐待であったなら、私が躊躇していた30分の間に、子どもは殺されていたかもしれません。

 そのような過去の体験に鑑みて、私は中国人たちが女児を見殺しにしたことを責めることができません。

 例えば、女児ではなく、ホームレス風の男性が倒れていたらどうするでしょう?
 また、いかにもヤクザかチンピラみたいな格好をした男だったら?

 変な因縁をつけられないかとか、関わり合いになりたくないとか、自己保身に走って卑怯にも見て見ぬふりをするのはむしろ普通ではないでしょうか。

 また、話が飛躍しますが、中学生がタバコを吸っていたら注意するでしょうか。
 私はしません。
 たかがタバコごときで知らないガキを注意して逆切れされ、刃物でも持ち出されたらたまったものではないからです。

 人間、おのれ一人が可愛く、他人のことなどどうでもよい、というのが本当のところだと思います。
 面倒事にまきこまれたくないのが本当のところだと思います。

 だからこそ、おのれの利害を無視して公共のために勇気ある行動をとる人は賞賛されるのでしょう。

 私もそういう者になりたいと切に願います。
 しかし多分無理でしょう。
 私は卑怯な臆病者に過ぎないのですから。

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