お困り

社会・政治

 東日本大震災で発生した大量の瓦礫、西日本の自治体はほとんどが受け入れを拒絶しているそうですね。

 なんでも放射能が心配だからとか。

 あれほど心は一つだとかだとか騒いでおきながら、おのれに累が及ぶとなると、醜い逃げを打つんですねぇ。
 しかも政府が定めた基準値を超える放射能は検出されていないというのに。

 おのれの身が可愛いのは誰でも同じことですが、同じ日本国で困難に立ち向かってる地域を横目で見ながら、わしゃ知らんというのでは、あまりにもけつの穴が小さいというもの。

 その点、いち早く瓦礫処理を表明し、実行に移したあたり、東京都はなかなかのものです。
 老害でしかないと思っていた石原都知事、肝が据わっています。
 都民からの抗議の声にも微動だにせず、逆にふざけるな、と一喝してしまいました。

 池部良の父上が、「江戸っ子てなぁ、損するようにできてんだ」と言ったというのも肯けます。
 お困りの方がいたなら自分が損をしてでも助けようとする姿は、あまたの江戸落語に見られるところです。

 「坊っちゃん」でも、そういう江戸っ子気質があますところなく描かれています。

 私が某機関に勤務しているとき、大量の業務を委託するため、市ヶ谷の財務省印刷局に交渉に出かけたことがあります。
 その際、強持ての現業職員たちが、私が説明した無理目な作業日程を、喜んで引き受けてくれたことが印象に残っています。
 彼らは顔は怖いし言葉も乱暴ですが、お困りの私を放ってはおけない、という江戸っ子気質を確かに持っていました。

 情けは人のためならず。

 ここは一つ、お困りの被災地の皆様をお助けするため、全国の自治体にはこぞって手を挙げてほしいものです。

坊っちゃん (新潮文庫)
夏目 漱石
新潮社

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