EUがイラン産の原油を禁輸することを決めました。
米国はとうに禁輸していますので、イランにとって大きな経済的損失を生むことは間違いありません。
しかし損失に学び、核開発を断念するかというと、私は逆のような気がします。
つまり、かねてから警告しているとおり、ホルムズ海峡封鎖に踏み切り、結果的に米国、EUを敵にまわして戦うことを選ぶ可能性が否定できないということです。
わが国もイランからの原油輸入は大幅に削減していますが、まだ禁輸までは行っていません。
中国など、大口の顧客もいます。
イランはイスラム教原理主義の祭政一致国家。
経済的な損失より、ジハードを選ぼうというのは、自然な国民の声だろうと思います。
私には米国・EUによるイラン産原油禁輸と言う措置が、端から戦争を起こすつもりで、挑発しているように思えて仕方ありません。
古くは太平洋戦争前夜、わが国も米国から石油を禁輸され、ハル・ノートを突き付けられて辛抱たまらず真珠湾を攻撃しました。
このニュースに、チャーチルもルーズベルトも躍りあがって喜んだと伝えられます。
わが国が英米の罠にまんまとはまったからでしょう。
チャーチルは真珠湾攻撃の日、日記に「第二次大戦がはじまって以来、初めてぐっすり眠れる」と書きました。
参戦を渋っていた米国が連合国側に立って戦わざるを得ない状況ができたからでしょう。
一方ナチス・ドイツは、日本の真珠湾攻撃に大いに戸惑ったようです。
ドイツは米国と戦うことだけは避けたかったからです。
しかしヒトラーは、敢然、大日本帝国とともに米国を討つべし、という演説を行ったそうです。
イラクにしてもアフガニスタンにしても、石油が産出する国に対しては、欧米は容赦なく難癖をつけ、戦争に持ち込もうとしたり、すでに起きている紛争に介入しようとしたりします。
イランが核開発を行っているからといって、何も戦争に直結するような圧力をかける必要はありますまい。
それは狂気の沙汰です。
油欲しさに気が違ってしまったのでしょうか。
そしてまた、世界一多くの核兵器・化学兵器を持つ米国が、他国にはその所有を許さないとは嗤わせます。
天に唾する行為です。
そういうことを言うなら、まず米国自身が、率先して核兵器・化学兵器を全廃してみせたらいかがでしょう。
わが国はオイル・ショックの時も独自外交を貫き、中東諸国との友好関係を維持し続けました。
このたびも、米国やEUに追随する必要はありますまい。
ホルムズ海峡を封鎖されれば、必ず戦争状態に陥るでしょう。
果たしてイランは警告どおり本当にホルムズ海峡を封鎖して、米国・EUとの勝てない戦に挑むでしょうか。
しかしその場合、イランはイラクやアフガニスタン以上に負けてくれない、あるいは負けてもテロを繰り返す可能性が大です。
もうイランとの戦争に一歩踏み出してしまった米国・EU。
馬鹿を見るのは一般庶民なのですよ。
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