冷たい雨に閉じ込められて、寒々しい戦争映画を鑑賞しました。
「ステイト・オブ・ウォー」です。
1982年、私が中学一年生の時に勃発した英国とアルゼンチンとの間のフォークランド紛争が、敗れたアルゼンチンのある兵士の視点で描かれます。
たしか、アルゼンチンが突如フォークランド諸島に攻め込んで占領したかと思うと、鉄の女サッチャーの強い意志で直ちに反撃、わずか一ヶ月程度でアルゼンチンが降伏したように覚えています。
今まで色々と戦争映画を観てきましたが、侵略した側が、あれほど貧相な装備、低い士気、滅茶苦茶な上官だったためしがありません。
南極に近い寒い島で、道路も舗装されておらず、不潔そのものです。
私など、あそこへ兵士として送り込まれたら、一夜で発狂して敵味方関係なく自動小銃を撃ちまくり、殺害されるでしょう。
あれじゃあ近代化された装備を持つ英国軍に勝てようはずもありません。
戦闘というよりひたすら退却するアルゼンチン軍。
その間も、空爆や戦車などで次々に血祭りに挙げられていきます。
絶望的な状況。
現代、一緒にフォークランド紛争を戦った仲間が自殺を図り、意識不明に陥ります。
そしてテロップで、フォークランド紛争のアルゼンチン兵戦死者と同じくらいの帰還兵が自殺した、と衝撃の事実が告げられます。
現代を生き残る帰還兵の日常と、フォークランド諸島での悲惨な日々が、交互に描かれます。
戦闘が少し止まったとき、ふと、休憩中の兵士たちがサッカー・ボールを見つけ、試合を始めます。
どっちが勝ったの負けたのと、本当に楽しそうです。
同じ勝ち負けでも、殺した数が多いほど勝つ戦争と、ゴールが多いほうが勝つサッカーでは、大きな違いがあります。
意味深長な場面でした。
戦争映画の残虐さに比べれば、私が日頃好んで観ているホラー映画なんて、子供だましのようなものですねぇ。
でもだからこそ、ホラー映画は面白いのですよね。
子どものころ、法螺話にだまされることほど幸せなひと時はありませんでしたから。
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