神の杖

社会・政治

 嘘か真か、昨日、週間新潮を読んでいたら、信じがたい記事が掲載されていました。

 神の杖、と呼ばれる米国の新兵器開発の話題です。
 すなわち、宇宙プラットホームに小型推進ロケットを装着した直径30センチ、長さ6.1メートル、重さ100キロのタングステン、チタン或いはウランの金属棒を搭載するという計画で、衛星の誘導で地球上のすべてのターゲットを攻撃することができる、というのです。

 大陸間弾道ミサイルのように打ち上げて飛んでくる兵器と違い、宇宙から突如として降ってくるというわけで、現在の技術では迎撃は不可能ということです。

 どこまで兵器を高度化させれば気が済むのでしょうね。

 神の杖はべつだん核兵器を搭載しているわけでも化学兵器を積んでいるわけでもありませんが、先が尖っているため地中深く突き刺さり、核シェルターに逃げても無駄だそうです。
 巨大な衝撃を与え、大地震が発生したような効果を生むというのですが、大きな隕石がピンポイントで落ちてくることを考えれば、それは当然でしょう。



 イメージ図です。

 よくファンタジーなどでロンギヌスの槍というのが登場します。
 計り知れない魔力を秘めたというこの槍、その昔キリストを刺し貫いた槍のことだそうで、ロンギヌスというローマ帝国の兵士が使ったことから、その名がつきました。

 神の杖ロンギヌスの槍にも擬せられるように思います。

 私はよく知りませんが、宇宙から槍を降らせるという場面がエヴァンゲリオンにも登場するそうで、発想としてはそう突飛な物ではなさそうです。

 人が想像できることは、必ず人が実現できる、と言ったのはSF作家のジュール・ヴェルヌでしたか。
 もしそうだとすると、タイムマシンやどこでもドアも実現できるんでしょうかねぇ。
 どこでもドアが出来たら鉄道会社も航空会社も自動車産業も上がったりですねぇ。

 宇宙開発は冷戦後、ロシアと欧米日などが共同で行う数少ない事業となりましたが、けん引役の米国がそんな奇妙な兵器を開発しているようでは、宇宙開発事業も頓挫しかねません。

 人間という生き物、有史以来同じ種同士で間断なく殺しあうという巨大な欠陥を抱えていることは、残念ながら事実です。
 しかし昔に比べたら、確実に殺し合いは減っているように思います。
 わが国においても、西南戦争後、内戦が起こることは考えにくくなりましたし、かつて血みどろの総力戦を繰り広げた欧州各国も、EUとなってそういうことは起こりにくくなりました。

 アフリカや中東では今も激しい戦いが各地で繰り広げられ、アジアにおいても北朝鮮や中国が不安定要素になってはいます。

 しかしそういう国々も、やがては実力行使をためらうようになるものと信じたいものです。

 それならなおさら、世界を支配する米国は率先して範を垂れ、おとぎ話めいた新兵器の開発なんぞに血道をあげるのはお止しなさい。

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