ナチ・ハンター

社会・政治

 イスラエルには、ナチ・ハンターと呼ばれる人がいて、元ナチの高官を追い詰めているという話がありました。
 しかし戦後67年も経ってもはや元ナチの高官も死に絶えたかと思っていましたら、先般、97歳のおじいちゃんが逮捕されたというニュースに触れました。
 おじいちゃんは当時ドイツの同盟国だったハンガリーが占領するスロバキアで警察署長をしており、約16,000人ものユダヤ人をアウシュビッツに送り込んだ、人道に対する罪で、ハンガリーの首都ブダペストで逮捕されたそうです。

 おじいちゃんは戦後逮捕されないまま当時のチェコスロバキアの裁判所から死刑判決を受け、カナダに逃亡。
 その後ナチ・ハンターの目を逃れ、姿をくらませていたとか。
 
 おじいちゃん、当時のことを、「命令に従っただけで、自分の意思ではなかった」と弁明しているそうですが、そりゃそうでしょうねぇ。
 祖国がドイツに占領され、ドイツの言いなりになるしかない状況下、警察署長としてはやむを得ざる仕儀であったことでしょう。
 そもそも当時の警察署長クラスがアウシュビッツで何が行われていたかなんて、知らなかったでしょうし。

 これからおじいちゃんの裁判が行われるということですが、判決が下るまで命がもちますかねぇ。
 むしろ老人の最後の世話をハンガリー警察がしてあげるようなもの。
 今さら死刑執行なんてできようはずもないし、そんなことしたらそれこそ人道に対する罪のような気がします。

 戦争犯罪というのは切ないものですね。
 末端と言っていいスロバキアの警察署長が死刑判決をくらうのですから。
 わが国でも牛蒡を捕虜に食わせたというだけで死刑になったBC級戦犯がいると聞いたことがあります。
 牛蒡を木の根っこだと思ったようです。
 しかし仮に木の根っこだとしても、死刑とはあんまりです。

 そうかと思うとありもしない大量破壊兵器をあると言い張ってイラク戦争を始めたブッシュ元大統領は安穏として暮らしています。
 自国民を大量に殺害したポル・ポトも天寿を全うしました。
 私は明らかにブッシュもポル・ポトも人道に対する罪を犯していると思いますがねぇ。

 結局勝てば官軍、やったもん勝ちということでしょうか。
 やれませんねぇ。

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