政府の国家戦略会議(議長・野田佳彦首相)フロンティア分科会が、7月6日にまとめた報告書で「40歳定年制」をぶち上げました。
少子高齢化で労働人口が激減する中、65歳への定年延長が叫ばれているときに、逆転の発想でわが国経済に活を入れようということのようです。
報告書では、「現在の60歳定年制は企業に人材が固定し、新陳代謝を阻害している」と指摘しています。
20歳程度で就職し、20年前後を経て、管理職へと昇進する頃あいに定年を迎え、第二の学びの機会を設け、キャリアアップするとともに、若い人の雇用を確保しようということのようです。
これは実現はほぼ不可能でしょうねぇ。
労働者は反対するでしょうし、企業にとってもやっと育てた人材を首にしなければならないわけですから。
また、無能もしくは平凡な能力しかないと評価されている者をリストラしやすくなり、社会の不安定化につながります。
おそらく住宅ローンも組めなくなるでしょう。
もしかりに40歳定年制を実現するとしたら、再就職の仕組みを作らなければなりません。
また、定年してから再就職するまでの間の生活保障も作らなければなりません。
定年と同時に再就職出来る人はそう多くはないでしょうから、この生活保障がわが国の財政に重くのしかかるでしょう。
建前だけの絵に描いた餅というべきでしょう。
私自身は、定年撤廃しかないと考えています。
人によって健康状態や体力は異なり、誰もが元気に60歳まで働けるわけではありませんし、また、70歳、80歳でも元気に働ける人はいます。
年齢に関わらず、自ら限界を悟って身を引くか、能力が無いという評価を受ければ若くても解雇されるか、どちらかしかないでしょう。
一斉に60歳と同時に仕事をリタイアして、後は細々パート勤務をするか、あるいは役員として会社に残るか、というのは、気持ちが悪い感じがします。
人間を年齢でしばり、その多様性を見ようとしない全体主義的な考えでしょう。
私としては、十分な蓄えがあれば50歳くらいでリタイアして、のんびり老後を楽しみたいと思っています。
それならあと8年働けばよいわけですから、気分的に楽です。
でも安サラリーマンにはそんなことは夢のまた夢。
せめて60歳で定年してから65歳で年金をもらえるようになるまでの5年くらいは、生活していける蓄えをしておこうと今から準備しているのです。
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