シリアの内戦を取材中、フリージャーナリストの日本女性が命を落としたことが大きなニュースになっていますね。
誠に痛ましい事件ではありますが、殺し合いの現場を取材する以上、ある程度は覚悟していたのではないでしょうか。
そうでなければあえて戦場に行くことなどできはしません。
古くはカンボジア内戦でクメール・ルージュに処刑された戦場カメラマンの一ノ瀬泰造。
彼は多くの戦場写真を日本のマスコミに送り、雑誌などに取り上げられてカンボジア内戦の真実を伝えましたが、わずか26歳ではかなくなってしまいました。
「地雷を踏んだらサヨウナラ」は良く知られた彼の著作で、映画化もされました。
「ちょっとピンぼけ」で有名なロバート・キャパは、第二次大戦の欧州戦線をはじめとして、多くの戦場写真を撮りましたが、地雷を踏んで死亡しました。
ロバート・キャパの写真の凄まじいところは、突撃する兵士の顔写真を撮っていることです。
つまり、突撃する兵士の前にまわって写真を撮っていたということで、危険極まりない行為です。
だからこそ、彼の写真は多くの若者を引き付け、若者たちが戦場カメラマンを志すきっかけにもなったのでしょう。
罪な人です。
内戦というのは同じ国民同士が殺し合う、誠に凄惨な事態です。
国内での戦いですから、敵味方が非常に近い位置におり、そのため簡単に攻撃目標にたどり着くことができるため、爆撃や砲撃、住民を巻き込んでの市街戦が簡単に始まってしまいます。
シリア政府軍も、反政府軍が支配している地域に爆撃を行い、住民もろとも殺戮を繰り返しています。
67年間の太平に酔うわが国民には想像を絶する状況が、シリアのみならず、世界のあちこちで繰り広げられているということを、私たちは肝に銘じなければなりません。
戦争状態に突入したら、それを停止させるのは容易なことではありません。
平和な国で反戦をさけんでみたところで、それはほとんど馬鹿げた自己満足に過ぎません。
理をもって説得を試みても、頭に血が上った戦争中の指導者が聞く耳を持つとは思えません。
政府軍、反政府軍のどちらかに国際社会が肩入れして勝負をつけるのが実は一番手っ取り早い戦争終結の方法でしょう。
どうやっても勝てないとどちらかが思い知った時、戦争は終結します。
わが国と連合国軍との戦いもそうでした。
原爆投下と、ソヴィエトの対日参戦が、わが国の指導部に戦争継続を断念させることになりました。
しかし、国連はシリアのあまりの状況の悪化に、撤退を決めました。
下手をすると、何年も戦闘が続く可能性があります。
スーダンと南スーダンの戦いでは、200万人もが犠牲になったと聞き及びます。
太平洋戦争でのわが国の犠牲者が、民間人を含めてざっと290万人だと言いますから、原爆も大規模な空爆もなく、日本のように広大な戦線で戦っていたわけでもないのに、ずいぶんな人数です。
シリアにおいて内戦の泥沼化を防ぐには、国際社会が軍事的に介入するしかないと思っていますが、如何でしょう?

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