米国上院決議

社会・政治

 先般、米国議会上院が、尖閣諸島に対する攻撃が行われた場合、米軍は日米安保条約に基づいてこれに軍事的に対応する、との異例の決議を行いましたね。

 中国の太平洋進出に対する強い牽制の意味が込められているものと思われます。
 日本国民としては、たいへん心強い決議です。

 現在の彼我の戦力差に鑑みると、中国が尖閣諸島に武力で侵攻してくる可能性は極めて低いでしょう。

 中国は大陸国家の常で、陸軍は強大ですが海軍はそれほどでもありません。
 逆にわが国は島国の常で、海軍力は世界有数です。
 海で戦うことは中国の嫌うところでしょう。
 まして米軍をも相手にしなければならないとなれば、中国は短期的には武力行使に打って出ることはないと思われます。

 しかし、先のことはわかりません。
 五年、十年と経つうちに、中国は海軍力を強め、日米同盟恐るるに足らずと思えば、躊躇なく侵略行動に出るでしょう。
 ちょうど今、南シナ海でフィリピンなどがいいようにやられているように。
 フィリピンには海軍とは名ばかりのオンボロ船が数隻あるだけですから。

 今のところ中国は米上院の決議にとくだんの抗議をしていません。
 これもひとえに、米軍を恐れてのことでしょう。

 中国という100年遅れでやってきた帝国主義国家を見ていると、人間という種の限界を、歴史を遡って見せつけられているような奇妙な気分になります。
 
 二つの世界大戦という多くの犠牲を払い、今では先進国同士がガチンコで戦うということはあり得ない状況にまでたどりつきました。
 今行われているのは民族や宗教の対立による地域紛争、およびテロ攻撃ですね。
 こればっかりはなかなか止む気配がありません。

 世に泥棒や殺人犯が絶えたことが無いのと同じことなんでしょうか。

 しかしそれでも、牛歩の歩みではありますが、人間同士が集団で殺しあうという行為は、確実に少なくなっているように感じます。

 例えばわが国では、かつて戦国時代など、日本人同士でさかんに殺し合いをしていました。
 今はそんなことは考えられません。

 これがさらに進んで、紛争を殺し合いで片づけることなどあり得ない世の中が世界に現出したならば、人間は新たなステージに進むように思います。

 例え核の傘による、恐怖ゆえの平和であっても。

 まぁ、私が生きている間にはとてもそんな世界は実現しないでしょうが、牛歩の歩みでもよいから、少しづつ、恒久平和への道を進んでいってほしいものです。


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