コスプレと言えば、わが国のポップ・カルチャーであるヲタク文化の柱の一つ。
ヲタクの人々がアニメやゲームのキャラクターの衣装を身につけて、思い思いにキャラクターに成りきるという誠に気色悪い文化です。
私は一度、千葉市中心部を散歩中、千葉城に立ち寄ったところ、コスプレ大会が開かれていてぶったまげたことがあります。
今月2日、ロシアで大規模なコスプレ大会が開かれたそうです。
ヲタク文化は欧米やアジアでも大人気で、ヲタ芸を練習するサークルやコスプレを楽しむグループが世界各地に存在するとか。
ヲタク文化はもはやポップ・カルチャーと言うより日本を代表する王道の文化になったかのごとくです。
ロシアのコスプレ大会、日本人審査員が大挙して出かけていき、ロシアのコスプレのレベルは群を抜いて高い、と太鼓判を押し、コスプレイヤー達は本場日本の審査員から褒められて大はしゃぎだったようです。
私もヲタク文化というものが持つわが国古来の文化との連続性に関心を持ち、秋葉原を散策してヲタクの人々を観察したことがあります。
彼らの生態は、私の想像を超えたものでした。
喫茶店でしかないはずのメイド・カフェはチャージを取るとか。
ホテルのバーじゃあるまいし。
それを聞いた瞬間、メイド・カフェというのは喫茶店ではなく、ソフト風俗なのだと理解しました。
また、ヲタクの人々は立ち食いを好むようです。
多くのレストランやそば屋などが立ち並んでいるにもかかわらず、おでん缶だとかサンドウィッチだとかを購入し、路上で食している人が大勢いましたね。
一時期は大きなリュックや紙袋を提げて歩く人が多かったように思いますが、近頃はキャスターのついた大きなキャリーバッグを持ち歩く人が増えたようです。
進化しているんですねぇ。
わが国の文化というのは、軽味に到達することを良しとするように思います。
面倒な理屈や論理を経て、枯れた味わいの軽味を身につけるわけですね。
それを粋と呼ぶのでしょう。
一見、ヲタク文化は粋の対極にあるようにも感じますが、しかし彼らもまた、軽味への志向を持っていることを感じます。
あの一見馬鹿馬鹿しいヲタ芸を真剣に打つ姿は、粋に通じるのではないでしょうか。
世界を席捲する日本発のヲタク文化が、世界に驚きと新鮮な興味を呼び起こしている事態は、わが国にとって誇らしいことです。
ヲタク文化が新たな日本の古典となる日まで、ヲタクの皆さまには文化の発展に意を尽くしてもらいたいものです。