独裁者

社会・政治

 シリアのアサド大統領、反体制派との対話を拒否する演説を行ったそうですね。
 
 アラブの春と言われる一連の民主化運動で、多くのアラブ国家が民主化を成し遂げました。
 というより、民主化のための混乱の道に入ったと言うべきでしょうか。

 狂犬とまで言われたリビアのカダフィ大佐も民主化の波に抗しきれず、無残な末路を遂げました。

 しかし、アサド大統領。
 何をこんなに頑張っちゃってるんでしょうね。
 一説には内戦勃発以来の両軍の死者が6万人を超えたとか。
 尋常な数ではありません。
 難民キャンプも人であふれているようです。
 自国民を苦しめ、国土を自国軍で荒廃せしめ、そこまでして守らなければならないアサド大統領の利益とは何なのでしょうね。

 早目に民主化を認めれば、亡命したりして命をつなぐこともできたのかもしれないのに。
 ことここに至っては、大統領官邸が落ちるまで戦い続け、住民からなぶり殺しにされるか、軍事法廷で裁かれて処刑されるか、どちらかしか残っていません。
 過去の悲惨な末路をたどった独裁者のことを思い、夜も眠れない日々をおくっているのか、あるいは勝利を信じて狂気の指揮を執り続けているのか、どっちなんでしょうねぇ。

 それにつけても思うのは、北朝鮮人民がなぜ蜂起しないのかということ。
 人は自由が無くても我慢できるものですが、食えなくなれば死ぬ気で立ちあがるものです。
 座して死を待つくらいなら、乾坤一擲、権力者に鉄槌を下そうとするものです。
 わが国でもかつて米騒動や打ちこわしや逃散がありました。
 100万単位の餓死者が出ているという報道が本当だとしたら、北朝鮮人民はずいぶんと我慢強い人々です。