インド・バングラディシュ・パキスタンなどの南アジア諸国では、男が女性の顔に酸をかけるという犯罪が多発しているそうです。
インドでは統計がないそうですが、パキスタンでは年間1,500件もの被害届が受理されているとか。
報復を怖れて届けを出さない被害者も多いと考えられ、実際の犯罪件数は1万件にもおよぶという説もあります。
パキスタンでそうなのですから、人口大国、インドは推して知るべしでしょう。
このたび某被害者がインドのテレビ番組に出演、法の整備と被害者への支援を呼びかけました。
その顔はひどく腫れ上がり、目は白く混濁して光を失い、聴力もほとんどないそうです。
清掃用の薬品など、どこでも手に入る液体であり、それがよけい被害を拡大させているとか。
男の動機は、恋人に振られた腹いせだとか、妻が浮気しているんじゃないかとか、単なるストーカーだとか、要するに痴情のもつれですね。
わが国を含む北東アジアでも欧米諸国でもアフリカでも女性の顔に酸をかけるという事件はあまり聞いたことがないので、南アジアに特異な現象と見てよいでしょうね。
一つには女性蔑視の風潮が強く、男の言いなりにならない場合、女性を傷つけても、それは犬や猫をいじめるのと大差ないという意識がかの地の男性たちに根強く残っていることが原因ではないかと想像されます。
また、最高でも懲役10年で、保釈金を払えば服役する必要さえないという刑の軽さも一因でしょう。
男と女の間には、様ざまな色や欲が渦巻き、事件が起きるのは万国共通なのでしょうが、顔に酸をかけるとはひどいですねぇ。
死に到る場合もあるし、生き残ってもほとんどは失明し、二目と見られぬ顔になり、将来は絶望的なものになります。
社会的には殺害したのと同じようなものです。
そうはいっても清掃用の薬品を販売禁止にするわけにもいかず、まして男女差別意識の矯正など、10年や20年で浸透するはずもありません。
男女差別津意識を禁忌するための教育と、重い刑罰を科すことを並行して行う気の遠くなるような地道な努力が求められます。