今日は北方領土の日。
もともとは江戸幕府とロシアの間で日露和親条約が結ばれ、国境が確定した日だそうです。
8月15日の終戦の後に、ソビエト軍は満州、朝鮮、樺太、北方領土などに大挙して軍事攻撃を仕掛けました。
もう戦争は終わったと思っていた現地の帝国軍人および現地在住の日本人は腰を抜かしたことでしょう。
明らかな国際法違反で、火事場泥棒と言っても過言ではありません。
しかもソビエト軍は女は強姦し、男は殺し、といった悪逆非道のかぎりを尽くしたと聞き及びます。
戦場でそういった違法行為が発生するのは、洋の東西を問わず、時代も問わない、戦争に付き物の蛮行であるかのようです。
わが大日本帝国も非道な行いをしたでしょうし、勝利した連合軍側の兵士も行ったでしょう。
67年間、北方領土返還はわが国の悲願でしたが、島が返ってくることはおそらくないでしょうね。
ロシアは一度飲みこんだ領土を吐きだすようなことはしませんから。
それでも、わが国は200年でも300年でも北方領土返還を求めて声を挙げ続ける必要があるでしょう。
長い年月の間には、国際常識が変り、あるいは返還がなされるかもしれませんから。
ソビエト、連合軍による日本占領に際しては、北海道をソビエト占領地区にすることを頑強に主張したそうです。
それをマッカーサーは断固拒否。
もしソビエトの言い分を聞いていたら、わが国は東西ドイツや南北朝鮮のような、分断国家になっていたでしょう。
そうなれば、戦前の非合法時代から日本共産党を率いた宮本顕治あたりが北海人民共和国の書記長にでも納まって、強権を振るったに違いありません。
津軽海峡は世界一危険な海になっていたでしょうねぇ。
それを思うと、マッカーサーがソビエトの要求に断固拒否したことは、わが国にとって幸いだったと言わなければなりません。
そういったこともあって、わが国の国会はマッカーサー元帥感謝決議なる摩訶不思議な決議を採択しました。
お気は確か?
昨日まで血みどろの総力戦を闘っていた相手の大将に感謝するなんて、同じ日本人として信じがたい暴挙です。
時代は移り、戦後長い間わが国を覆っていた、平和を唱えれば平和は維持されるみたいな魔術的思考から、やっと解放されつつあります。
この世は武力や経済力などの力が支配しており、力が弱まれば危険が迫るという当たり前の認識を今の日本人の8割以上が持つにいたり、憲法改正に賛成する者は90%ちかくまで増えました。
憲法改正と言うだけで極右扱いされた30年前とは隔世の感があります。
いつまでも米国の庇護の下、平和な眠りを貪っていては、世界の孤児になってしまう、という危機感が強くなったのだろうと推測します。
アルジェリアの人質事件で、アルジェリアのある労働者が、「日本人の命は特別重いのか」と怒りを顕わにしたそうです。
他国の人質はどうなってもいいから日本人だけは助けてくれなんて言うのは、テロに屈する恥辱とも言うべきでしょう。
北方領土の日を迎えるにあたって、北方領土だけでなく、今わが国を悩ます外交・安保の問題に真剣に取り組まなければいけません。