おかまの日

文学

 4月4日はおかまの日

 3月3日が女の子の節句で5月5日が男の子の節句ということで、その真ん中がおかまの日とは、子供じみた発想ですねぇ。

 一言でおかまといっても、「同性愛者」、「女装趣味の者」、「同性愛者向けの性風俗の職にある者」、「水商売(芸能を含む)の職にあり演じている者」、「言葉遣いが女性的な者」、「性同一性障害者」など、実際には様々な概念を包含しており、その実態は定かではありません。

 なんとなく、なよなよしていて女っぽい男と、というイメージが一般的でしょうか。

 ビート・ジェネレーションの代表的作家、ウィリアム・S・バロウズにそのものずばり、「おかま」という小説があります。

 妻とウィリアム・テルごっこをやっていて誤って妻を射殺した後、両性愛者であった彼が同性の恋人との切ない関係を描いた作品で、独特の読みにくい文体が魅力です。

 この人は麻薬中毒のジャンキー野郎で、あまたの幻想的といおうか、悪趣味な小説を書いてきました。
 クローネンバーグ監督によって映画化もされた「裸のランチ」が私のお気に入りです。
 バロウズの自伝的作品で、執筆中、タイプライターが巨大な口を開けてべらべらしゃべるシーンなど、じつにグロテスクです。

 この人、ジャンキーにしては長生きして、1997年に83歳で亡くなっています。
 晩年はビート・ジェネレーションの生き証人ということで、一部好事家から神のように崇められていたようです。

 私にはそんな気はありませんが。

 近頃では、オネェマンと称するテレビタレントが騒々しくトークを繰り広げる番組が流行っているようですね。

 わが国では昔からトランス・ジェンダーには寛容なお国柄。
 おかまのみなさんには住みやすいんじゃないでしょうか。

 おかまのみなさんには誇り高く生きて欲しいものです。

おかま
山形 浩生,柳下 毅一郎
ペヨトル工房

 

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鮎川 信夫
河出書房


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原作:ウィリアム・S・バロウズ,音楽:ハワード・ショア/オーネット・コールマン
キングレコード


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デイヴィッド・クローネンバーグ,ウィリアム・バロウズ
アスミック


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