今日、4月から職場全体の予算管理を担うことになった若い男性職員が、なぜだか私の部署にやってきて、私一人に「よろしくお願いします」と挨拶していきました。
私はとりあえず「よろしく」と応えましたが、しばし唖然。
私の部署で予算執行を担当しているのは私だけではないし、私は部署の責任者でもありません。
その後喫煙所で、その理由が判明。
彼の前任の男が、私の部署の予算執行については私に相談するように、と言ったらしいのです。
しかも、それを聞いた後任はびびりまくっていたとか。
確かに職場での私は不愛想だしお世辞にも人あたりが良いとは言えません。
しかし、ひとたび一緒に仕事をすれば、それは見た目だけのことで、実際は単純なやつだということくらい、すぐに分かります。
この前任者、お人が悪い。
しかも、「とびおさんがスーツを着てタバコを吸っていると、ヤクザにしか見えない」と失礼なことをほざきました。
笑ってやり過ごしましたが、ひどい物言いです。
私は35歳くらいまでは、5つくらい若く見られる童顔が悩みでした。
それが精神障害発症とともにぶくぶくと太り、一気に年より上に見られるくらい貫禄がついてしまいました。
22キロ痩せても、その貫禄だけは失われなかったようです。
まぁ、若い連中から見れば、怖いのでしょうねぇ。
藤山直美主演の映画に「顔」というのがあります。
まずは予告編をどうぞ。
引きこもりだった中年女が親の葬式の日に折り合いの悪かった妹を殺害。
仕方なく外に出て職を転々としながら逃亡生活を続けるうち、妖しい魅力を放ち始める、という人情喜劇です。
外見より中身だ、なんて言いますね。
それはそうなのでしょうが、まずはパッと見が重要なことも事実。
私が傲岸不遜な表情を浮かべるらしいことは、人から何度か指摘されて知ってはいました。
同居人などは、私の幼児の頃の写真を見て、「今とおんなじ、なんでも知り尽くしているみたいな生意気な表情をしている」と言って私をからかいます。
それで損したこともあり、得したこともあります。
顔の顔形以上に、中年になると生きてきた軌跡や、その人の思想信条、性格などが色濃く外見に現れるようです。
しかし私は、傲慢と言われようと、ヤクザみたいだと言われようと、いやだからこそ、私自身の不敵な面付きが気に入っています。
それこそ私そのものを象徴しているわけですから。
私はむしろ、自信無げな、頼りない表情を嫌います。
みんながみんな、大傲慢で生きればよいのです。
一人一人が、それぞれの人生のヒーローなのですから。
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