妖怪 寝肥

文学

 江戸時代の「絵本百物語」という図鑑に、妖怪 寝肥(ねぶとり)という化け物が出てきます。

 寝てばかりいれば太るのは当然で、ろくに働かずに食っちゃ寝の生活を戒めるための妖怪だとも言われています。



 これ、私には耳が痛いですねぇ。

 今でこそ学生時代と同じくらいの体重に落ちましたが、うつ状態がひどい時は毎日23時間くらい寝ており、しかも食欲は落ちなかったことから、みるみる体重が増えて、1年で20キロ太りました。

 血液検査の結果、コレステロール、中性脂肪、血圧、血糖、すべてが正常値を上回ってしまい、メタボリック症候群だと言われました。
 もともと痩せ型だったのが急速に太ったため、腹が邪魔で、靴下を履いたり足のつめを切るのも難儀しました。
 165センチの身長で、最大74キロまでいってしまいました。

 まさに妖怪 寝肥(ねぶとり)です。

 太っていた時期は三年くらいで、昨年3月に父が亡くなってから急速に体重が落ちました。

 とにかく食欲が湧かないのですよねぇ。

 最初のうちは精神的ショックで食欲が落ちたのだと思いますが、少ない食事を続けているうちにそれに慣れてしまい、胃が小さくなった上に、揚げ物などの脂っこいものを受け付けなくなってしまったものと思われます。
 もともと揚げ物は好みませんが、最近では揚げ物を食うと気持ち悪くなり、ひどいと戻してしまうようになってしまいました。

 今朝の体重は50.2キロ、体脂肪率は14%でした。

 コレステロールも中性脂肪も血圧も血糖もすべて落ち、逆に低すぎるということで、3キロくらい太ったほうが良いだとか、糖分を意識的に採ったほうが良いだとか、内科医は勝手なことを言います。

 どこかに自由自在に体重を変えられる人がいるとでも言うのでしょうか?

 私はただ、食える時に食えるものを食うだけです。

 いつまたうつ状態に陥り、妖怪 寝肥になってしまうかわかりませんし。

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