メイ・デー

思想・学問

 今日はメイ・デーですね。
 1886年5月1日、米国はシカゴで労働者が8時間労働を求めてストライキを行ったのがその起源だとか。
 当時は単純労働者の労働時間が12時間以上だったと言いますから、8時間労働の実現はユートピアのように思えたでしょう。

 トマス・モア「ユートピア」では労働時間は6時間とされていますから、それより2時間長い労働時間を勝ち取るために、先人は頑張ったのですねぇ。

 今、私の労働時間は7時間45分。
 隔世の感があります。

 しかし人間というのは欲深なもので、今の私はトマス・モアのように6時間労働を夢想しています。

 わが国でも大正時代からメイ・デーの運動が行われ、太平洋戦争の最中とその前後を除き、今も続けられています。

 私が中学生の頃、5月1日は必ず休暇を取る教師がけっこういました。
 たぶん日教組の教員だったのだろうと思います。
 今では組織率が3割程度まで落ち込み、見る影もありませんが、30年前にはけっこう影響力のある組織でしたね。

 労働組合に偏見を持つ人は多いと思いますが、私は労働組合が行ってきた運動は、括目すべきだと思っています。
 時の政府に逆らうような行動にまで出て、多くの労働者の待遇改善を求めたその勇気は、賞賛に値します。
 私はデモもストライキもしたことがありませんが、彼ら勇気ある人々のおかげで、一日7時間45分、完全週休2日、年休は年間20日、そのほかに夏季休暇を付与され、さらに病気休暇や葬式や結婚の際の特別休暇も貰えるのですから。
 また、女性であれば出産休暇も取れますし、男女問わず子供を授かれば3年間に及ぶ育児休暇も貰えます。
 また、育児休暇中は無給になることから、給料は減りますが一日6時間の時短勤務を選ぶこともできます。

 1886年のシカゴの勇気ある労働者からみれば、これ以上望むべくもない厚待遇を、今を生きる私たち労働者は当たり前のように享受しています。
 しかし、ここに至るまでには血のにじむような先人の努力があったことに思いを致すべきでしょう。

 私もまた、今得ている権利を当たり前のこととして日々を過ごす愚か者ですが、5月1日くらいは、待遇改善を求めた大先輩たちの熱い思いに心を致したいものです。

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