独立記念日

社会・政治

 今日は米国の独立記念日ですね。

 かつて、ベトナム戦争で身体障害者となった若者の苦悩を描いた「7月4日に生まれて」という映画がありました。

7月4日に生まれて スペシャル・エディション [DVD]
トム・クルーズ,キラ・セジウィック,レイモンド・J・バリー
ジェネオン・ユニバーサル

 愛国心に燃えてベトナム戦争に従軍した若者が、帰国後、肉体的にも精神的にもぼろぼろになっていく姿が哀れを誘いました。
 若き日のトム・クルーズが好演していて、印象深い作品に仕上がっています。

 米国という国の成り立ちを思う時、わが国との落差に愕然とします。

 わが国は一応2月11日が建国記念日とされていますが、それは明治になって、古文書などから、初代神武天皇が即位した1月1日を換算すると、2月11日になるようだ、という随分いい加減な決め方をしています。

 しかるに米国では1776年に英国からの独立を宣言した日が7月4日で、この日に独立したことは疑いがありません。

 そもそも、ネイティブ・アメリカンが幸せに暮らしていたところ、英国人などが新大陸などとふざけた名前をつけて大挙して押し寄せ、ネイティブ・アメリカンを駆逐しながら西へ西へと突き進み、ついには太平洋沿岸にまで達し、さらには太平洋に乗り出してハワイ王国を併合。
 
 その先にはわが国があり、米国とわが国は米国のDNAとも言うべき西への侵略欲求に従い、日米両国はガチンコ対決をするにいたり、それに勝利するや、朝鮮だのベトナムだの中東だのにまで介入するお節介な国になりました。


 哀れ、わが国は、敗戦国の悲しさで、完全に米国の太平洋戦略に組み込まれてしまっています。

 切ないことです。

 しかし、米国に守られたおかげで70年近くも平和をむさぼってこられたのもまた事実。

 今生というのは冷酷に出来ています。

 しかも米国は、長きに渡ってアフリカから黒人を拉致して奴隷として使役しました。

 今に至るも、黒人や有色人種への差別意識は根強くあるようです。

 大統領が黒人と白人のハーフなのに、黒人としてしか扱わないのも公平さに欠けると言わざるを得ません。

 短いけれど複雑な歴史を持った米国と、長く、天皇という権力は無いが権威だけはあるという便利な支配装置によって国のアイデンティティを保ってきたわが国。

 太平洋を挟んだこの2つの国家が、真に分かりあえる日は来ないでしょう。
 表面的にはともかく。

 「7月4日に生まれて」を観た時、私は心の底から米国に生まれなくて良かったと、胸をなでおろしたのです。


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