安部内閣が集団的自衛権を行使可能とする閣議決定を行ったことが大きく報道されていますね。
これを歓迎する声、批判する声、様々あって、わが国は健全であるなと頼もしく思います。
批判する声は、他国の戦争に巻き込まれる、だとか、戦争が出来る国になってしまう、とか言うもの。
他国の戦争に巻き込まれる、という批判は理解できますが、戦争が出来る国になる、というのは不思議な理屈です。
わが国はこれまでの長い歴史の中で、戦争が出来ない国であったことなどありません。
憲法で禁じられているから出来ないというのは、憲法で禁じれば台風も発生しないし地震も起こらない、みたいな話です。
法律に書いたって、攻撃されれば反撃せざるを得ず、そのためにサンフランシスコ講和条約が成立して独立を勝ち取るや、わが国は直ちに再軍備を行いました。
もし憲法が禁じているから戦争は出来ないのだとしたら、法律守って国が滅んだみたいな、誠に悲惨なことになってしまいます。
100歩譲って、法律があるから戦争が出来ない、という幻想が広く信じられていたとしても、おそらくわが国政府は、万やむを得ざる状況に追い込まれれば、超法規的措置によって、戦う道を選ぶでしょう。
そのような事態は法治国家として望ましくないので、法律によって交戦権について明記すべきでしょうね。
私としては、今回の閣議決定は緊急避難的なもので、最終的には日本国憲法を全面的に改正するのが正しいやり方だと思っています。
それは何も憲法9条に限ったことで無く、1条の天皇条項から、全てです。
わが国はあまりにも大きな戦に敗れたため、軍事力ということにあまりにナーバスになってしまいました。
しかし、現在の世界情勢・アジア情勢に鑑みて、強力な軍事力を保持しなければ、わが国の平和が危うくされることは火を見るより明らか。
強力な軍事力を保持し、訓練怠りないことを見せつけるだけで、紛争が起きる可能性は著しく低くなるでしょう。
誰だって強力な国家を敵にまわして戦うことを避けようとするでしょうから。
第1次・第2次の世界大戦を経て、世界はずいぶん平和になりました。
少なくとも、軍事大国同士がガチンコで戦うということは、もはや想像できません。
地域紛争はいつの時代もなくなりませんが。
それというのも、それぞれの軍事大国が総すくみの状態になって、手が出せないからでしょう。
しかし、100年以上前の帝国主義的理屈で行動する異形の大国が、わが国のすぐお隣に生まれてしまいました。
かの国は海軍力が弱く、しかも米軍と手を切ったフィリピンの小さな島を強引に奪い、今また、ベトナムの島を虎視眈々と狙っています。
ベトナムはフィリピンよりは骨がありますから、まだ島を奪うことに成功はしていませんが。
そして、尖閣諸島。
今、わが国の海上兵力はかの国を凌駕し、しかもオバマ大統領が尖閣諸島は日米安保の範囲と公言したことから、一時期ほど挑発的な行動は採らなくなりました。
それどころか、オバマ大統領の発言後、絶対に受け入れなかったわが国の政府高官や国会議員の訪中を次々に許しています。
分かりやすい国です。
わが国と米国の海上兵力に脅威を感じているのでしょう。
ことほど左様に、世界は力の論理で動いています。
わが国も十分な力を涵養し、それを存分に活かせるような法制度を整えるのが重要です。
そういう意味で、このたびの解釈改憲、第一歩としては上々の出来なのではないでしょうか。
しかし、勝負はこれから。
日本国憲法の全面改正、もしくは日本国憲法を廃止して新たな憲法を作る気概が政治家の皆さまには求められます。