その他

 今、桜が満開です。
 職場の庭や、通勤時に車で通る道のあちこちに、桜が咲き乱れ、目を楽しませてくれます。
 満開の今でも、いや今だからこそ、儚さを感じさせるとは、桜とは美しくも切ないものですね。

 昨日、私の職場にも何人か新人が入ってきました。
  一様に緊張した面持ちで、未来への不安と希望が感じられました。

 それはまるで、疲れたおじさんから見ると、桜のように儚げに見えます。

 今を盛りと咲き誇っていながら、わずか十日ほどで新緑に代わり、やがては葉も落ちてしまう桜。

 新人の初々しい姿のなかに、すぐに良い意味でも悪い意味でも職場文化に慣れて中年を迎え、やがては定年を迎える儚いサラリーマン生活に、桜を投影させてしまうのです。

 そんな見方しかできない私は、相当なひねくれ者ですね。

  私が新人だった平成4年度のことを、彼らの緊張した顔を見て、鮮やかに思い出します。
 私もずいぶん緊張していたと思います。

 当時はまだバブルがはじける前で、世の中は浮かれていました。
 給料も目に見えて上がっていきました。
 日本社会が夏祭りのような熱狂に浮かされていたように思います。
 それは高度成長の最後に来るべきして訪れた、あだ花とも言うべきものでしたね。

 その後23年間、体調を崩したり、上司と闘ったり、色々なことがありました。

 就職時の思い描いた未来とは遠く離れた、つまらない状態ではありますが、世の中なんてそんなものでしょう。
 別に過去の私の行動を後悔などしていません。
 悔いが残っているなんて、口が裂けても口にしません。

 でも夜、マンションのベランダから遠くに見える夜桜の群れを見ながらひや酒をちびちびやっていると、自然と、私が歩んできた道は、必ずしも正しくなかったのかもしれない、という思いが湧き上がることを止めることが出来ずにいるのです。

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