私は今も月に一度精神科に通い、抗うつ薬と抗躁薬、それに頓服の抗不安薬を処方されています。
でももう7年くらい、うつも躁も現れていません。
病状は極めて安定していると言えるでしょう。
しかし、気分的に楽になった反面、色々なことがどうでもよくなった感じがします。
長いこと小説の執筆もしていませんし、職場でも必要最低限のことをやっつけでこなしているだけです。
気楽は気楽ですが、なんだか生きているのかいないのか、そもそも何のために生きているのか分かりません。
生きているというより死んでいない、と言った感じです。
長いこと精神障害で苦しんで、その苦しみが無くなることが目標でしたが、苦しみが消えてみると、びっくりするほどつまらない日々が待っているとは思いもしませんでした。
もともと私は目標を立てて努力することが好きでした。
それでこそ、生き甲斐を感じられたからです。
しかし今の私は、努力なんて大嫌いですし、そもそも目標もありません。
これは精神障害克服の過程で起こる副作用なのか、あるいは私の精神が緩慢に死に向かっているのか分かりません。
一つ言えることは、多分私の気力が昔のように満ちることは無いだろうと言うことです。
酒を飲んだりぶらぶら散歩したり、小説を読んだり映画を観たり、時には美術館にでも出かけるくらいしか、今の私がしたいことはありません。
いずれも受け身でできることばかりで、自分の能力を発揮するようなものではありません。
それが、なんとなく物足りなくもあるのですが、それ以上のことは出来はしません。
なんだか愚痴っぽくなってしまいましたが、それが老いるということなんでしょうね。
現代の基準では老け込むには少々早いかもしれませんが、せっかちな私のこととて、老いも人より早く来始めたようです。
どんな後半生が待っているにせよ、雑誌と一緒で、面白い記事は前半に集中し、後半は広告ばかりなんでしょうねぇ。