朝、起きたら腰が痛く、ひどく体が重かったので、熱を測ったら37度2分ありました。
ほんの微熱ですが、私は極端に熱に弱く、これでは使い物にならんと思い、急遽休暇を取りました。
8時30分に職場に連絡し、風邪薬を飲んで、午後3時まで眠り続け、寝汗をびっしょりかいたら、変に気分が良くなっています。
熱を測ったら36度8分まで下がっていました。
風呂で寝汗でべとべとした体をきれいに洗い、小池真理子御大の短編集、「怪談」を読みました。
![]() | 怪談 |
小池 真理子 | |
集英社 |
7つの短編が収録された、260ページほどの短い小説集です。
タイトルから思い浮かべるような、ホラー小説集とは趣を異にしています。
これと言ってストーリーらしいストーリーが無い、ちょっとだけ不思議な物語がつむがれます。
そしていずれの短編も、怖くありません。
どちらかというと、ほのぼのするような怪異譚です。
御大はかつて、「墓地を見おろす家」のような、本格的なホラー小説を物していますが、今回の短編集はその系譜に連なるものではありません。
![]() | 墓地を見おろす家 (角川ホラー文庫) |
小池 真理子 | |
角川書店 |
一歩間違えるとエッセイのような軽いタッチで、しかも耽美的で艶やかな文体で、物語が語られます。
なんとなく、愛おしいような、懐かしいような小説群です。
もしかしたら小池御大が書いてきたような、華麗な小説から比べると、評価は高くないのかもしれません。
しかしだからこそ、御大の新境地と言うべきなのかもしれません。
私はじゅうぶん堪能しました。