政府が、過労死防止のための施策として、繁忙期の残業時間を100時間以内に設定する方向であることに、批判が集まっています。
100時間は確かに長いような気がします。
サラリーマンのなかには、恒常的に100時間を超えて残業をしている人が結構存在していることは知っています。
しかもサービス残業だったりします。
100時間を厳密に守れば、今よりも楽になる人がいることは確かでしょうが、逆に、100時間までならいいんだと思って、毎月100時間の残業を求められる可能性は否定できません。
週休2日だと、月に約20日働く勘定で、毎日5時間の残業になります。
5時間だと、17時が終業時刻の場合、22時まで。
18時が終業時刻の場合、23時まで。
ごくたまに、どうしても仕事が終わらないときにこの程度の残業をすることはありうるでしょう。
しかし一か月間毎日となると、しんどいでしょうねぇ。
私も若いころ、月100時間を超える残業を、しかもサービスで行っていたことがあるのは確かです。
しかし35歳でうつ病と診断されて以来12年、ほとんど残業はしていません。
ていうか、体力的にとてもできないのです。
無理をすれば、翌日起き上がれません。
残業をして、翌日休んだのでは、本末転倒というもの。
まして、100時間は過労死のボーダーラインと言われています。
政府は100時間の残業を推奨するものではなく、繁忙期の万やむを得ざる場合のみ、例外的に100時間を認めるものであって、残業時間のみならず、メンタルヘルスなど、総合的に過労死を防止するのだ、と強弁しています。
しかし、わが国社会は残業を良しとする風潮が抜けがたく存在しています。
遅くまで頑張るやつは偉い、みたいな。
勤務時間は決まっているのだから、おしりに合せて時間内に終わるようにスケジュールを立てるのが当たり前で、それを心がければ、概ね定時で帰れます。
逆に、どうせ残業するからいいや、みたいな考えだと、効率が落ち、必ず残業することになります。
特デスクワーク中心の労働者の場合、ある程度仕事を任されているので、その人の意識しだいでずいぶん変わってきます。
工場労働などの場合は、私には分かりませんが。
規制も大切だと思いますが、長時間労働を美徳とするような感覚を逆転させ、時間内に効率よく仕事を終わらせることこそが素晴らしいと、あらゆる職場の、あらゆる労働者、管理者が同じ意識を持つようにすることが求められていると感じます。