誕生

その他

 今日、8月22日は私の誕生日。
 52歳になりました。

 52年前、私は世界から祝福されて生まれました、と言いたいところですが、じつは10月が予定日で、2か月早く生まれてしまった未熟児でした。
 乳を吸う力さえなく、母は泣きながらスポイトでミルクを飲ませていたそうです。
 父はそんな私を見て、この子は助からないだろうと思った、と後年、聞かされました。

 幼い頃はろくに飯を食わず、好物のトマトと、カルピスで生き延びたそうです。
 
 私は世界から呪われて生まれてきたというわけです。

 おそらく、医療が発達していない時代に生まれていれば、乳幼児死亡ということになったのでしょうね。

 現代医学の力は絶大で、私は生き延び、目出度く52回目の誕生日を迎えることができました。
 
 52年、結構長い年月です。
 この間に幼稚園から大学まで通い、就職して6年後に結婚。
 マンションも購入しました。
 途中、精神病を発症して、出勤したり休んだりを繰り返し、合計2年くらい、病気休職の憂き目にあいました。
 その後復職して約12年、休職せずに出勤を続けています。
 それは薄氷を踏むような日々でしたし、これからもそうでしょう。
 それでも私は、生きていかなければなりません。
 しんどいことですが、死なない以上仕方ありません。

 色々なことがあったような、特別なことは何も無かったような、不思議な感慨を覚えます。

 その昔、定年は55歳だったと聞きます。
 もし55歳だったら、ご赦免船が見えてくる頃ですが、今は60歳が定年。
 しかもこれから定年は少しづつ延長され、私が定年を迎えるのは65歳になるでしょう。
 あと12年。
 気が遠くなるような長い年月です。

 あとで振り返れば、12年前なんてそんなに昔ではないと思ったりしますが、これからの12年を思うと、絶望的な気分になります。

 一日一日をなんとかやり過ごしていかなければなりませんね。

 それでも今日はケーキとスパークリングワインを購入しました。
 それに母から高級鰻が誕生祝として届いたので、これをつまみに一杯やって、ケーキを少しだけ、食す予定です。

 先を思うと不安だらけですが、今日くらいは、お祝いしたいと思っています。