ずいぶん昔のことですが、Mr.Childrenが秩序の無い現代にドロップキックと叫んでいたのを思い出します。
よくよく歌詞を聞けば、あながち現状認識に間違いは無いと思えますが、秩序の無いというフレーズだけを聞くと、大変な違和感を覚えます。
初めて聞いた時、お気は確かかと思いました。
現代は極めて秩序立っていて、あまりの秩序に息がつまるほどです。
もちろん、いつの時代にも秩序からはみ出してしまう人間はいますが、現代はそういう者はごく少数で、圧倒的多数はひたすら秩序を守って生きています。
彼らはなぜあえてそういう歌詞を選んだのか、私には今もって不明です。
いっそ息詰まるこの世界から秩序を崩壊させろと歌ったほうが良かったのにと思います。
私は夢想します。
この秩序立った世界が崩壊して無法地帯と化すことを。
そこには人間本来の欲望が渦を巻き、快感を感じるほどの秩序の無い世界が現出するでしょう。
ヒトラーは第三帝国が千年王国となって世界を支配することを夢想し、我々は世界を焼き尽くす、と嘯きました。
焼き尽くされて秩序も何も無い世界。
きっと多くの人にとって生きづらい世界だとは思いますが、まるで14歳の中二病の少年のように、私はそんな世界をうっとりと夢想します。
それはきっと今があまりにも秩序立っているからだろうと思います。
秩序の無い現代とは全く異なる世界が日本社会を覆っています。
それは美しい社会なのかもしれませんが、退屈な社会とも言えます。
私は人生の最後を悟ったなら、秩序の無い世界を夢見て、小さな抵抗をしたいと思っています。