今日から出勤の予定だったのですが、咳の発作が出て、急遽休むことにしました。
コロナ患者が完治したと言っても職場で咳き込んでいたら周囲は恐怖を感じるでしょうし、帰れと言うでしょう。
明日は出勤したいと思っています。
そうは言っても熱は無かったので、ぼんやりと、静かな映画を観ました。
「夜明けのすべて」です。
パニック障害の青年とPMS(月経前症候群)に悩む若い女の物語です。
PMS(月経前症候群)というのは初めて知りましたが、月経前になると情緒不安定になったりする病気のことで、この映画に出てくる女は月経前になると極端に攻撃的になります。
パニック発作が原因で大会社から零細企業に飛ばされた青年と、同じく大会社から転職してきた女。
女のほうが少しだけ年上です。
この二人の関係性を軸に物語は進んでいくのですが、職場の先輩後輩ではあっても恋人でもなく、友人と呼ぶには距離があります。
生きるのがあまりにも辛い、でも死にたくない。
このパニック障害の青年の独白は、今も双極性障害に苦しんでいる私にはとても説得力があります。
結局女は母親の介護のために会社を辞めて地元に帰ることになり、二人の関係は終わりを迎え、おそらく二度とその関係性が復活することは無いのだろうと思われます。
ほんの少しだけ、人生の一時期が交差しただけの関係です。
しかしそのほとんど一瞬のような関係は、精神的な障害を持つ二人にとって、かけがえの無いものだったのかもしれないと思わせます。
何も起こらない、しかし心に残る映画でした。