Apparitionー悪霊ー

映画

 午後はまた、こてこての心霊ホラーを鑑賞しました。

 「Apparitionー悪霊ー」です。

 ある大学生のグループ4人が、1970年代に行われたチャールズ実験(ガンツフェルト実験ともいう)と呼ばれる霊体を呼び出す実験に刺激を受けて、当時よりも格段に進歩したパソコンなどの最新機器を駆使して、霊体を呼び出す実験を行います。

 そこで、驚くべきことに、参加していた女子大生が1人、消えてしまいます。
 死んだのではなく、文字どおり消えてしまったのです。

 実験を主催した学生は、この世とあの世の裂け目の扉を開いてしまったと、ひどく悔みます。

 数年後、彼らは社会人となってそれぞれに忙しく働いています。
 実験を撮影したベンは、恋人と一戸建てを借り、新生活を始めます。

 しかし、その家では奇妙なことが次々に起こるのです。
 ドアが勝手に開いたり、電気がついたり消えたり、植物が枯れたり、家にカビが生えたり。

 そんな時、かつての実験の主催者から、この世とあの世の扉を閉じ、霊体の侵入を防ぐために第2の実験を行ったが、失敗し、さらに扉を広げてしまった、との電話が入ります。

 霊体は家に取りついていたいたのではなく、ベンとその恋人にとりついていたのだと、主催者は主張。
 どこに逃げても無駄で、第3の実験を行って封じ込める必要があると説きます。

 また、彼によれば、これはいわゆる幽霊でも悪魔でもなく、もっと古くから人間界に隣接する世界に存在してきた物体で、名前すら無い、人間が考えたこともない怖ろしい存在であって、扉が開いたことにより、連中は人間界を乗っ取ろうとしているのだ、と主張します。

 もしそうだとすると、この映画、途方も無くスケールが大きい映画で、ホラーというより哲学や神学の分野を扱った作品ということになります。

 しかし哀しいかな、人間の想像力ではそんなとんでもない生き物を構想することは不可能で、結局はありがちな心霊ホラーに仕上がっています。

 ただし、連中のパワーはどんな心霊ホラーに登場する幽霊や悪魔よりも強力で、ほとんど太刀打ちできません。
 しかも殺されるのではなく、消えてしまうのですから質が悪い。

 あちらの世界に連れて行かれ、家畜のようにされているのか、食糧にされているのか、それすら分からないのです。

 大風呂敷を広げ過ぎて、かえって盛り上がりに欠ける作品に仕上がってしまったようです。

 あんまり不可思議な現象がこれでもかと立て続けに起こると、観ているほうも慣れてしまって、またか、という気分になります。

 ホラーの妙はいかに見せるかではなく、いかに見せないかであることに、改めて気付きました。

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