美術

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岡本神草の時代展

梅雨が明けて、本格的に暑くなりました。 昨日は千葉市美術館に出かけました。 岡本神草の時代展を観るためです。 大正から昭和初期にかけて活躍した日本画家で、38歳の若さで亡くなってしまいますが、極端な寡作で、完成した絵はいくつもないとのことで、未完の絵画が多く展示されていました。 日本画の展覧会ということで、着物で行くと2割引。 こういうの、結構あります。 今年初めての夏の着物で出かけました。 美人画というよりは、どこか不気味な、幽霊画のように観えました。 永久に完成せざる藝術は無限に進歩する。完成の刹那、藝術は命を失う、とは、彼の名言です。  私の精神に激しく感応する作品が無かったことは残念です。
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「画壇の悪魔派」と呼ばれた日本画家

今日は年休。 今日を含め、年休があと3日残っていますので、年内に使いきらなくてはなりません。 昨日は千葉市美術館に出かけました。 「北野恒富ー画壇の悪魔派と呼ばれた日本画家ー」展を観るためです。 明治から昭和初期にかけて活躍した美人画家で、京都の上村松園、東京の鏑木清方と並び称せられる、大阪の大家です。 印象としては、美人画がまるで幽霊画のように見える作品が多いこと。 特に能の「班女」を題材にした「狂女」という作品は衝撃的で、小一時間もその絵の前に立ち尽くし、呆然と眺めていました。 おかげで疲れてしまい、他の絵をじっくり観る気が失せてしまいました。 「班女」は、恋しい男が扇を置いてこなくなってしまった遊女が、扇ばかりを見つめ、狂ったようになってしまう物語で、「狂女」からは狂おしいまでの男を思う女の気持ちがあふれ出て、私を圧倒しました。 疲れましたが、疲れる美術展というのは良い展覧会なのだと思います。 疲れるほどに絵画鑑賞に熱中できた、ということですから。にほんブログ村 芸術・人文ランキング
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仏像が芸術になった時

今日において、仏像や仏画、仏教建築などが、美術作品であることに異論をはさむ人はほとんどいないでしょう。 しかし、それらが制作され、人々の信仰の対象のみであった時代においては、美術作品という認識は薄かった、もしくは皆無であったのではなかろうかと推量します。 もっといえば、美術とか芸術とかいうものは、明治以降、西洋の思想を取り入れた時に生まれた概念で、それまでのわが国には、そもそも絵や彫刻は存在したにしても、それらを総称して美術とか芸術とかいう意識は無かったんじゃないかと思います。 それらはあくまで、絵であり、彫物であり、音曲であり、物語であり、戯作であったことでしょう。 明治初期、わが国で芸術や美術ということを強烈に印象付けたのは、浮世絵が西洋に与えた強い影響だったのではないかと思います。 わが国においては、浮世絵はそれほど重要なものではありませんでした。 しかし、西洋でジャポニスム運動が起こることで、改めて浮世絵が見直され、同時に、美術や芸術が優れていることは、国威発揚にまでつながることを実感したものと思います。 で、仏教美術などの宗教的芸術。 明治4年に布告された古器旧物保存方では、...
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地獄絵ワンダーランド

昨日は日本橋の三井記念美術館に出かけました。 地獄絵ワンダーランドを観るためです。 この美術館、和装で行くと300円割引になることから、当然、夏の着物で出かけました。 昨日の日本橋、やけに浴衣などの和装の男女を多く見かけるなと思ったら、隅田川花火大会の日だったのですね。 昼間は日本橋界隈を冷やかし、夕方になったら隅田川を目指そうということでしょう。 同じ理由で、浅草や銀座にもきっと多くの和装の男女が繰り出したことでしょう。 和装文化復活を願う私にとって、嬉しい光景でした。  地獄絵ワンダーランド、水木しげる先生の地獄絵に始り、様々な時代の地獄絵や、平安時代に書かれた極楽に行くためのハウツー本であり、地獄の有様を活写し、その後の日本人の地獄のイメージを決定付けた往生要集などが展示されていました。往生要集〈上〉 (岩波文庫)石田 瑞麿岩波書店往生要集〈下〉 (岩波文庫)石田 瑞麿岩波書店 地獄には八つの階層があり、なかでも最下層の無間地獄には、逆さに落下して到着まで二千年もかかり、到着後は鬼から様々に苦痛を与えられるとのことで、往生要集を読んだ変案じ代の人々は震え上がったことでしょう。 そ...
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日本の伝統芸能展

今日は北風吹きすさぶなか、日本橋の三井記念美術館に出かけました。 「日本の伝統芸能」展を観るためです。 京葉道路から首都高速をとばすこと約40分、都営日本橋地下駐車場に到着。 歩いて7~8分で目指す美術館に着きました。 雅楽・能楽・歌舞伎・文楽に関する様々な面や衣装、道具などが展示されていて、圧倒されました。 わけても、早くになくなった妻をしのんで作製したという女の能面、「おもかげ」に魅了されました。 その艶やかな面は、職人の魂が吹き込まれたかのごとくで、まるで生きているような錯覚にとらわれました。 その魂を思うとき、同居人に先立たれたら、私は廃人同様になってしまうのではないかという危惧を抱かせます。 今日は同居人の48歳の誕生日。 出会った時、彼女は23歳でした。 もう25年も経つのですね。 これからも、末永く一緒にこの世を冒険したいものだと思います。にほんブログ村 美術館・ギャラリー ブログランキングへ
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