文学

スポンサーリンク
文学

ユートピア

やっと金曜日の午前中の勤務を終えました。 月曜日の朝車の接触事故を起こし、午前中はその対応、午後から出勤して5日間、長いですねぇ。 月曜日の朝、今週は5日間通えるだろうかと、いつも絶望的な気持ちになります。 しかし今週もあと半日。 なんとか一週間働けそうです。 午後は13時半から会議。 しかし直接の担当ではないので気楽なものです。 精神障害発症後、こうやって綱渡りのような日々を過ごしてきたのですねぇ。 感慨無量です。 そしてこれからも。 朝から晩までみっちり働くということは精神衛生上も、肉体の健康からも、かなり悪いことのような気がします。 しかしそれに耐えなければ、飯が食えなくなるとは因果なものです。 世の勤労者の多くが、それら苦役に耐えて、なんとか生活を成り立たせているのかと思うと、働く人すべてが愛おしくさえ感じられます。 トマス・モアの「ユートピア」では勤務時間が6時間でしたか。 今、私の勤務時間は7時間45分。 通勤時間を加え、さらに残業でもすれば、起きている時間の大半を仕事に費やしていることになります。 あぁ、働かんで暮らしていければこんなに嬉しいことはありません。ユートピア ...
文学

高慢と偏見

年度末が近付いてきました。 この時期、予算の締めやら新年度の準備やらで、なんとなく気分がざわざわします。 今日もそう忙しかったわけではありませんが、なんとなく気が急く感じです。 就職以来、年度末を迎えるのは21回目。 なかなか慣れませんねぇ。 ていうか、毎日早起きして暗くなるまで働くという生活を21年も続けても、慣れるということがありません。 そういう日々に、なんとなく異和感を感じます。 オースティンに「高慢と偏見」という小説があり、中学生の頃読んで貴族というのは気楽なものだと思った記憶があります。 英国でドラマ化されて私はこれを好んで観ていますが、当時の英国貴族というのは、パーティに出たりお茶を飲んだり、ほとんど仕事らしいことを行っていません。 広大な領土の上がりで食っていたのでしょうが、羨ましいかぎりです。 わが国の公家も、かつては蹴鞠をしたり和歌を詠んだり宴会したり、夜な夜な夜這いをかけたり、遊んで暮らしていますね。 圧倒的多数の庶民が過酷な労働に従事することによって生まれた富を簒奪したからこそできたこと。 それに比べて今のわが国は誰もがあくせくと働いて、わずかばかりの涙金のよう...
文学

雨水

昨日は二十四節気の一つ、雨水(うすい)だったのですね。 「暦便覧」には、陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり、と記されています。 確実に春が近付いているのですねぇ。 野も山も 冬のままじゃに 春の水   与謝蕪村の高弟、高井几董の句です。 今では忘れ去られた感のある俳人ですが、ほのぼのとした秀句を残していますねぇ。 この時季にふさわしい句です。 この人の春の句というと、 水に落ちし 椿の氷る 余寒かな を思い出します。 余寒というのが寒さのなかに春を感じさせます。  さらに、 むらさきに 夜は明けかかる 春の海 というのがあります。 こちらは壮大で美しい、一幅の絵のような感じが浮かびますねぇ。 どちらも味わい深い句だと思います。 もういい加減寒いのは勘弁してほしいですねぇ。 花咲く春の暖かさが待たれます。にほんブログ村 人文 ブログランキングへ
文学

新八犬伝

さきほどNHKアーカイブスという番組で、1973年ごろ放送された人形劇「新八犬伝」の総集編を放送していました。 江戸の戯作者、滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」を下敷きにしたものです。  坂本九の語りがべらぼうにうまかったですねぇ。 講談のようでもあり、浪花節のようでもあり、歌舞伎のセリフのようでもある、七五調の名調子です。 坂本九というとポップスの大御所というイメージが強いですが、実際は三味線や長唄、民謡などで音楽を学んだとかで、本来は邦楽の人なんだそうです。 だから講釈師も真っ青の語りができるんですねぇ。 私は小学生の頃、子ども向けに現代語訳された「八犬伝」を読みました。 江戸時代、大ベストセラーとなった伝奇エンターテイメントの大作ということで、非常に面白く感じました。 山田風太郎みたいな感じですかねぇ。 中学生になって、滝沢馬琴の創作の秘密に迫る「戯作三昧」という芥川龍之介の小説を読みました。 こちらは文学作品ですが、芥川龍之介が滝沢馬琴の胸中を推し量り、それに共感している様子がよく出ていました。 私は6歳の頃初めて「ドラキュラの歯はない」というお話を広告の裏に書いて以来、たびたびお話...
文学

北朝鮮で人肉食?

北朝鮮が核実験を強行したことが大きな問題になっています。 報道によると、北朝鮮の国内事情が大きな理由になっていることがうかがえます。 昨年の4月から6月にかけて、軍や平壌市民への配給を優先させたことから、農村部の米を根こそぎとりたて、農村部で万単位の餓死者が出たと推測されているようです。 ある村では、「子供2人を殺して食べようとした父親が銃殺された。『肉がある』と勧められた妻が、子供がいないのをいぶかり通報。軒下から遺体の一部が見つかった」のだそうです。 怖ろしや。 飢餓に耐えきれずにわが子に手をかけ、あまつさえその肉を喰らうとは。 飢餓ゆえの人肉食というのは時折耳にします。 南方戦線の日本軍は飢餓のために最初は米兵を、後には自国軍の亡くなった兵士の肉を喰らったとか。 また、武田泰淳の「ひかりごけ」には、難破した船の船乗りがある島に流れ着き、亡くなった仲間を食う様子が活写されています。 三国連太郎主演で映画化もされ、無表情で生の人肉を食う三国連太郎の演技が見事でした。 1972年にはウルグアイからチリに向かった旅客機が雪山に不時着。 生き残った客は亡くなった旅客の肉を食って飢えをしのい...
スポンサーリンク