文学

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東京大爆発

旧正月(春節)を迎えた中国では、一億人以上が民族大移動。 さすがに人口大国。 スケールが違います。 中国では、春節を花火を上げたり爆竹を鳴らしたりして祝うのだとか。 そんな中、某花火メーカーが東京大爆発という名称の花火を売り出して、これが大評判だとか。 数百円で東京を火の海の海にできる、と大喜びのご様子。 しかしあんまり悪ふざけが過ぎるということで、当局は東京大爆発の回収を始めたんだとか。 庶民の憂さ晴らしくらい、大目に見たら良いでしょうに。 そう言えば昔、筒井康隆が「日本以外全部沈没」というブラックな小説を発表しました。 もちろん、当時大ベストセラーとなった小松左京の「日本沈没」のパロディです。 どちらも映画化されましたね。 日本以外のすべての国が海に沈んでしまい、辛うじて日本に逃げた外国人たちは、日本では3等国民として差別され、日本人はみなお大尽のように威張っているのです。 そのうちソビエトが北海道を寄越せと言ってきたり、1等国民になるために日本人の男との結婚を切望する外国人女性が大勢日本人男性ならだれでもいいとばかり、日本人男性はもてもてになっちゃったり。 ハチャメチャぶりが素敵...
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春の気

今日は立春ですね。 暦便覧によれば、春の気立つを以って也、と簡潔に記されています。 ここ三日ばかり、暖かい日が続いて、春の気が立っている感じがします。 しかし天気予報によれば、水曜日はまたもや雪のようです。 今年はよく降りますねぇ。 体がついていきません。 春は人を浮かれさせる季節でありながら、どこか憂愁の気が漂う時季でもあります。 私は精神障害発症以来、もっぱら春を憂愁の季節ととらえてきましたが、もうほぼ寛解してから三年もたつので、今年あたり軽く浮かれてみたいものです。 春は恋の季節でもありますし。 ここ数年、恋心というものがどういうものであったか、忘れているような気がします。 別段不倫などという大それたことをする気はありませんが、薄い恋心くらい抱いてみたいものだと思います。 紅梅の 二月は恋の 鹿子哉 正岡子規の句です。 この時季、鹿も恋をするというわけで、どこか色っぽい興趣を感じさせます。 日傘の影 うすく恋をしている こちらは夏の句ですが、なかなか面白いですねぇ。 自由律俳句で恋を詠んだ句は多くはないですが、これなどは出色の出来だと思います。 世に出ることがないまま20代前半で...
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ピーナツまき

今日は節分ですね。 豆をまいて福を呼び、鬼を払う日。 私も実家に住まいしていた頃は、盛大に豆まきを行いました。 寺だったため、部屋数が多く、すべての部屋で豆まきをするのは面倒でしたね。  自室で豆をまく時だけは、福は内、鬼も内、と唱えていました。 生来のひねくれ者ゆえ、鬼を招いてその呪力を我が物にせむと考えたのです。 また、鬼や土蜘蛛などが、大和政権にまつろわぬ土着の民への蔑称の意味もあったことを知れば、鬼に行き場が無いのは哀れなことです。 先日車中でラジオを聞いていたら、号泣必至の名作童話「泣いた赤鬼」を知った幼児が、鬼は悪いやつではないと考え、かつての私のように、福は内、鬼も内、と唱えるようになったとか。 将来有望なガキです。 今日近所を散歩していたら、殻付きピーナツを撒いている家がありました。 何をしているのじゃ?と疑問に思っていたら、千葉生まれの千葉育ちである同居人が教えてくれました。 ピーナツが特産の千葉県では、ごく一部ではあるが、節分に殻付きピーナツを撒く家があるというのです。 殻付きピーナツなら外に撒いても殻をむいて食すことができ、合理的だから、とのことでした。 それを聞...
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馬鹿陽気

今日は馬鹿陽気ですね。 千葉市の最高気温は18度。 4月の初め頃の陽気だそうです。 しかし残念なことに、朝から雨。 13時を過ぎてようやく薄日がさしてきましたが、今さら出かけようという気持ちにはなりません。 季節は着実に春を迎えようとしていますが、この時期、油断大敵です。 三寒四温と言うとおり、水曜日は雨か雪の予報が出ています。 今年は南関東にもよく雪が降ります。 年によっては、3月の終わりや4月の初めに首都圏を雪が襲うこともありますし。 そういえば、昔「なごり雪」という歌がヒットしましたね。 なんだか湿っぽい歌で、私は毛嫌いしていました。 ただ、なごり雪という言葉を造ったのはなかなかの言語感覚だと思います。 元々日本語には無い言葉ですが、まるで昔からある言葉のような錯覚を覚えます。 春に伴う別れの寂しさと、その心象風景と重ね合わせた雪景色が鮮やかに浮かんできます。 久米正雄が造って日本語としてすっかり定着した感のある微苦笑にも匹敵する造語ではないかと思います。 もっともわが国の文芸の世界では、よほどのことが無い限り造語は反則として固く戒められていますが。 元来の日本語だと、残雪という...
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追悼 安岡章太郎

安岡章太郎が死去したというニュースが飛び込んできました。 92歳。 第三の新人と言われた一群の作家の一人でした。 今思うと、三島由紀夫よりも年上だったのですね。 安岡章太郎というと、第二の太宰なんていう人もいました。 しかし太宰治ほどの物語作者としての才能には恵まれず、その代わり太宰治には無い乾いたユーモアがありました。 中学生から高校生の頃、私はこの人の作品を愛読しました。 「ガラスの靴」や「悪い仲間」は青春を描いて瑞々しく、しかもそこに気負った感じがなくて、何度も読み返したものです。 作者が中年になって、「海辺の光景」という、海辺の病院で狂気に陥った母親を看取る作品を発表してから、重鎮扱いされることになりました。 私は若い頃には彼の初期の作品を頭の隅に置いて、主に女性関係で悪い遊びに耽りました。 そして退屈だと思っていた「海辺の光景」に深く感じ入ったのは、昨年の3月、父を亡くした時でした。 親の死という耐え難い事態を、彼はドライに描きつくし、それは父を亡くすという一件から未だに脱出できずにいる私を驚嘆させる醒めた筆致であるということに、改めて気付かされたのです。 私はひねくれ者なの...
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