文学 石川淳 コスモスの知慧 文芸評論「石川淳 コスモスの知慧」を読みました。石川淳の小説世界について、様々な論考がなされていました。 しかし、私は文芸評論が苦手です。読むのが苦痛でした。 ただ、石川淳の作品に関する評論を読んだことがなかったので、今回読んでみました。 どこかの絵描きが言っていました。「考えるな、感じろ」、と。 小説もそれで良いのではないかと思います。 2008.06.20 文学
文学 老人のための残酷童話 倉橋由美子の「老人のための残酷童話」を読みました。 ブランデーでも飲むような、強烈な味わいを堪能しました。 同じ作者の手による「大人のための残酷童話」という著作集が20年以上前に出版されましたが、こちらもおすすめです。 倉橋由美子は、いわゆる女流作家らしからぬ、冷静で理知的、それでいて幻想的な作品を多く書いています。 私は石川淳の作品や小林恭二の作品と同様、倉橋由美子の作品を深く敬愛しています。 老人のための残酷童話倉橋 由美子講談社老人のための残酷童話 (講談社文庫)倉橋 由美子講談社大人のための残酷童話 (新潮文庫)倉橋 由美子新潮社 2008.06.18 文学
文学 文學界 文藝春秋社の「文學界」新人賞の締切りが今月末に迫っています。 私は10年以上も、メジャーな賞に応募していません。しかし今回は、応募してみようかと思っています。辛かったこの数年を糧にして、逆に笑える小説を書いてみようと思っています。 じつを言えば、ほぼ完成に近づいています。皆様の目に入れるようになればよいのですが。 2008.06.16 文学
文学 東京奇譚集 村上春樹の短編集「東京奇譚集」を読みました。現在活躍中の作家で、私が最も尊敬しているのは、小林恭二ですが、村上春樹の作品も、高校生の頃から愛読しています。 中でも、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」は最高傑作だと思っています。村上春樹は長編が多いですが、短編も奇妙で切ない、味のある作品が多くあります。 この「東京奇譚集」もそういった作品を集めたもので、私は読み始めたら、止まらなくなりました。東京奇譚集村上 春樹新潮社東京奇譚集 (新潮文庫)村上 春樹新潮社 2008.06.13 文学
文学 狂人日記 色川武大の「狂人日記」を読みました。 色川武大は阿佐田哲也のペンネームで麻雀小説を多数書いたことで知られています。 色川武大は純文学で阿佐田哲也はエンターテイメントという分け方をされますが、同じ人物である以上、そこには共通点が見出せます。 切ないような叙情性、だと思っています。 「狂人日記」は、文字どおり幻覚などに悩まされる狂人の告白です。 迫力と切なさに満ちています。 私は幻覚は見ませんが、躁鬱病という、精神疾患に冒された者の一人として、 この作品に深い愛着を覚えずにはいられません。狂人日記 (講談社文芸文庫)佐伯 一麦講談社 2008.06.03 文学