文学

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文學界

文藝春秋社の「文學界」新人賞の締切りが今月末に迫っています。 私は10年以上も、メジャーな賞に応募していません。しかし今回は、応募してみようかと思っています。辛かったこの数年を糧にして、逆に笑える小説を書いてみようと思っています。 じつを言えば、ほぼ完成に近づいています。皆様の目に入れるようになればよいのですが。
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東京奇譚集

村上春樹の短編集「東京奇譚集」を読みました。現在活躍中の作家で、私が最も尊敬しているのは、小林恭二ですが、村上春樹の作品も、高校生の頃から愛読しています。 中でも、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」は最高傑作だと思っています。村上春樹は長編が多いですが、短編も奇妙で切ない、味のある作品が多くあります。 この「東京奇譚集」もそういった作品を集めたもので、私は読み始めたら、止まらなくなりました。東京奇譚集村上 春樹新潮社東京奇譚集 (新潮文庫)村上 春樹新潮社
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狂人日記

色川武大の「狂人日記」を読みました。 色川武大は阿佐田哲也のペンネームで麻雀小説を多数書いたことで知られています。 色川武大は純文学で阿佐田哲也はエンターテイメントという分け方をされますが、同じ人物である以上、そこには共通点が見出せます。 切ないような叙情性、だと思っています。 「狂人日記」は、文字どおり幻覚などに悩まされる狂人の告白です。 迫力と切なさに満ちています。 私は幻覚は見ませんが、躁鬱病という、精神疾患に冒された者の一人として、 この作品に深い愛着を覚えずにはいられません。狂人日記 (講談社文芸文庫)佐伯 一麦講談社
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悪徳の栄え

今日は旧友が帰った後、マルキ・ド・サド侯爵の「悪徳の栄え」を読み返しました。高校生の頃初めて読んで、非常なショックを受けた作品です。今も、時折読み返します。グロテスクなほどの性的暴力シーンと、アンチキリストの哲学を延々と語るシーンが続きます。後のサド侯爵は死刑判決を受けますが、フランス革命で難を逃れます。サド侯爵はもちろん、SMの語源となった作家ですが、幻想的ともいえる暴力シーンとアンチキリストによって、悪の哲学の創始者となったとみるべきでしょう。翻訳した澁澤龍彦は、わいせつの罪で起訴されました。私は「サド裁判」という裁判記録を読みましたが、芸術が国家の理屈に敗れる、という屈辱的なものでした。悪徳の栄え〈上〉 (河出文庫)渋澤 龍彦河出書房新社悪徳の栄え〈下〉 (河出文庫)渋澤 龍彦河出書房新社
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至福千年

昨日は雨に閉じ込められて、学生時代以来何度も読み返している石川淳の小説を読みました。 昨日選んだのは、「至福千年」です。 幕末、地上の楽園を建設しようとする隠れキリシタンの暗闘を描いた伝奇小説です。べらんめえ調の文体で、哲学的な内容が展開されます。 私は、石川淳を深く尊敬しています。至福千年 (岩波文庫 緑 94-2)石川 淳岩波書店歯車・至福千年 (講談社文芸文庫)川西 政明講談社
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