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おそいひと

「おそいひと」を観ました。 なんとも評価の難しい映画です。  重度の脳性麻痺を持つ障害者が主演する殺人劇です。 モノクロの詩情あふれる映像で、切なげな音楽を背景に障害者の日常が淡々と描かれます。 ある日、ヘルパーに女子大生が来るようになり、主人公の暗い欲望が噴出し、ついには連続殺人を引き起こすにいたります。 障害者が同時に怖ろしい殺人犯であるというのは、なにも不思議なことではありません。 殺人鬼がたまたま障害者であったというだけです。 それなのに、なぜか違和感を感じます。 私のなかに、障害者は可哀そうな善人だ、という偏見があったからでしょう。 偏見を打ち砕く力がこの映画にはあります。 それにしても、障害者でもあるこの役者、目の演技に凄味があります。 無邪気な目をしたかと思えば、とてつもなく邪悪な表情を浮かべます。 この表情の演技だけでも、一見の価値ありです。 おそいひと 住田雅清,とりいまり,堀田直蔵,白井純子,福永年久ビデオメーカー  ↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
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ケース39

昨夜、衝撃のサスペンス・ホラー「ケース39」をDVDで観ました。 38件の案件を抱えるレニー・ゼルヴィガー演じるソーシャル・ワーカーが、39件目の案件を上司に押し付けられます。 児童虐待が強く疑われる少女を引き取ることにしたソーシャル・ワーカー。 少女と一緒に暮らし始めてから間もなく、少女の異常なまでの心理洞察力に気付き、やがて怖ろしい事件が起こります。 レニー・ゼルヴィガーというと、「ブリジッド・ジョーンズの日記」の印象が強すぎ、今回のようなシリアスな物語には適さないのではないか、とも思いましたが、観ているうちに、違和感はなくなりました。 少女に同情的で、少女の両親に不信感を抱いていたソーシャル・ワーカーが、ほどなくして精神病院に入院中の両親にアドヴァイスを求めに行くシーンは印象的です。 少女を演じた子役が、子供らしい邪悪さをうまく演じていました。 邪悪な子供というと、「オーメン」シリーズや「エスター」を思い浮かべます。 それらに比べて本作は謎解きの部分は弱いですが、より衝撃的な内容になっています。 満足いく出来栄えでした。ケース39 スペシャル・コレクターズ・エディション レニー・...
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カイジ

DVD鑑賞をしました。 藤原達也主演の「カイジ」です。  友人の借金の保証人になったことから膨大な額を用意しなければならなくなり、命がけのギャンブルに参加します。 ラストの、金貸しの幹部を演じる香川照之とのカードゲームによる一騎打ちは圧巻でした。 低賃金労働への風刺も効いていて、サスペンス・コメディーといった趣でした。カイジ 人生逆転ゲーム 通常版 藤原竜也,天海祐希,香川照之,山本太郎,光石研バップ
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ゴースト・ファンタジー

夏といえば怪談ですが、22年前の邦画で、幽霊とのふれあいを優しく描いた佳品があります。 「異人たちとの夏」です。 まだハリウッドの名作「ゴースト」が製作される前の作品です。  妻と別れた風間杜雄演じる中年男が、死んだはずの両親に再会します。 両親は主人公と同年輩です。 下町の小さな借家で、主人公は懐かしい両親と、昔ながらの生活に触れます。 浅草ですき焼きをごちそうになったり、小言を言われたり。 主人公は両親との甘い時間に陶酔していきますが、次第に衰弱していきます。 衰弱の様子を見て、ここが潮時と、両親はあの世に戻っていくのです。 両親との二度目の別れです。 そのとき、中年男は人目もはばからずに泣くのです。 両親との再会と時を同じくして、中年男は新しい恋人を得ており、恋人との関係も良好なのですが、両親との別れのあと、恋人は・・・、後は小説なりDVDなりでお楽しみください。 多分この映画の後、幽霊と親和的な物語が展開する映画やドラマが増えたように思います。 怖いだけではない、切ないゴースト・ファンタジーです。異人たちとの夏 山田太一松竹ホームビデオ異人たちとの夏 (新潮文庫)山田 太一新潮...
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ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女

スウェーデンの大型サスペンス「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」を観ました。 スウェーデンの孤島で40年前に姿を消した少女。その真相を探るべく、記者と天才ハッカーの女が雇われます。 美しく、そして寒々しい孤島の自然を背景に、怖ろしい謎が少しずつ、明らかになっていきます。 ユダヤ人差別、快楽殺人、近親相姦、児童虐待、尊属殺人、大企業の闇、様々な要素が複雑に絡み合って、まるでフルオーケストラのように圧倒的な迫力をもって大団円へと突入していきます。 難をいえば、大風呂敷を広げすぎたこと。少し嘘っぽくなっています。同時に、大作ならではの鼻につく感じが気持ち悪いですね。小品のような、浪漫的美は感じられません。 それでも、サスペンスとして第一級の作品です。ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 ノオミ・ラバス,マイケル・ニクヴィスト,スヴェン・バーティル・トープ,ステファン・サウクアミューズソフトエンタテインメント
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