
神聖な午前
学生の頃、私は宵っ張りの朝寝坊でした。 若いうちはほとんどの人がそうなのではないかと思います。 でも今は、23時を過ぎて起きていることはありません。 起きていられなくなったと言いましょうか。 そして当然、朝は強くなりました。 6時には自然と目を覚まします。 ここ何年も、目覚まし時計いらずです。 不思議なもので、夜が嫌いになりました。 特に夕方。 夕陽を見ると悲しくなるのは、うつ病を発症して以来。 病癒えて後も、夕陽が苦手で、夜が嫌いという癖は治りません。 若い頃は夜が大好きだっというのに。 今、私は太陽の子とでも言うべき性癖を持つようになりました。 お日様ほどありがたいものはありません。 わが国の国旗が太陽を模っているのも納得できます。 じつに美しいデザインだと思います。 ドイツの文豪、トーマス・マンは、どんなに興が乗っても、午後は執筆しなかったと伝えられます。 彼は執筆のための時間を、神聖な午前、と呼んだそうです。 きっと少しでも頭が曇ると、筆が鈍ると考えたのでしょうね。 私は事務職で、8時半から17時まで拘束されていますが、仕事は午前中が勝負だと思っています。 午後はどうしても疲れ...