思想・学問

スポンサーリンク
思想・学問

芸術と酒なしで生きる

夏の終わりが近づいているようです。 今さら感が漂う今日の暑さも、夏の断末魔のような気持ちさえしてきます。 この猛烈な残暑のなか、ぼんやりとした頭で、はるか昔に読んだ、芸術についての思索が浮かんでは消えていきます。 芸術もまた、儚い夏の如くだからでしょうか?  芸術論というのはあまりにもたくさんあって、正直、何が何だかわかりません。 しかし、ニーチェ中期の芸術観は分かりやすいのではないでしょうか。 芸術と酒なしで生きること。-芸術作品は酒と同じような事情にある。つまり、両方とも必要とせず、いつも水ですませ、その水を塊の内部の火、内部の甘美さでくりかえしおのずと酒に変えていくほうがずっとよいのである。 「人間的な、あまりに人間的な」という著作にみられます。人間的な、あまりに人間的な〈上巻〉(新潮文庫) (1958年)阿部 六郎新潮社人間的な、あまりに人間的な〈下巻〉(新潮文庫) (1958年)阿部 六郎新潮社人間的な、あまりに人間的な (まんがで読破)ニーチェイースト・プレス 正直難解ですが、この一節はすとんと腹に落ちます。 芸術を、陶酔を求める酒か麻薬のようなものと見なすのは、分かりやす...
思想・学問

間違った考え、あるいは先人の知恵

首都圏の、ここ数日の雨とそれに伴う気温の低さは少々異常に感じられます。 今週いっぱいはこんな感じなんだとか。 来週、8月も下旬にいたって暑さがぶり返したところで、それはほとんど残暑と言っても良いでしょう。 今年は冷夏なんていうものじゃなく、梅雨が明けたら秋がきた、みたいな感じです。 昔だったら雨乞いの逆、なんて言うのか知りませんが、気象の神様の魂を鎮める儀式でも執り行ったことでしょう。 今はそんなことはしませんが。 しかし、合理的精神というか、科学的精神というか、そういうものはこの世を生きる動物の一種である人間にとって、万能ではないことは明らかです。 科学や理屈では判明していないことはあまた在るわけですから。 むしろ、祈祷、あるいは呪いと言った、現在否定されている精神的な行動、魔術的思考とも言うべきものも、人間には必要なのだろうと思います。 それは経験的に。 そして例えば、慰霊祭やら葬式やら、一見無駄に思えるようなことも、現代に脈々と受け継がれ、むしろそれは大切な行為だとみなされています。 また、例え、精神病だというのが本当だとしても、本人や家族が悪魔憑きとか狐憑きだと信じていれば、エ...
思想・学問

戦闘本能

8月。 先の大戦を振り返る季節がやってきました。 人間には絶望的なほどの戦闘本能とも言うべき性質が備わっているように思います。 戦争にしても革命運動にしてもヤクザの抗争にしても、同種同士で傷付けあうという本能こそ、人間の根源的な性質であることは、歴史を見れば否定できないものではないでしょうか。 スポーツやゲームなどで戦闘本能を満足させることができるでしょうか? それはまるで、ガムを噛んでタバコの代わりとしようとするごとく、また、ノンアルコールビールで飲酒欲求を満足させるかのごとく、虚しいことのような気がします。 戦闘本能を十分に満足させるものは戦闘しかない、というのが、結局のところ本当なのではないでしょうか? それを肝に銘じて、では平和を維持しつつ、戦闘本能を満足させる方法はないのか、を考える必要がありましょう。 救いがないようですが、私はそういう方法は結局のところ存在し得ないのだろうと思います。 本能であるのなら、それを失えば人間は人間ではなくなってしまうでしょう。 それならば、人間は人間でなくなる努力をすれば良いということになるのかもしれません。 人間を超えた存在。 神をも超える存...
思想・学問

宗教遍歴

私が初めて宗教ということを意識したのは、「オーメン」シリーズや「エクソシスト」シリーズなど、キリスト教を題材としたオカルト映画でしたねぇ。【Amazon.co.jp限定】オーメン製作40周年記念 ダミアン コンプリートBOX(映画第1作~第3作&リメイク版ブルーレイディスク+TVシリーズDVD5枚組) 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパンエクソシスト ワーナー・スペシャル・パック(3枚組)初回限定生産 エレン・バースティン,リンダ・ブレアワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント でもキリスト教を深く知ろうとは思いませんでした。 何しろ小学生でしたから。 私は日蓮宗の寺に生まれ育ちましたが、日蓮宗の教えにさしたる興味は持ちませんでした。 法華経を最高のお経とする日蓮上人の教えが、よく理解できなかったこともあります。 法華経を読んだ時の印象は、なんだか例え話と、観音経や虚空会、二仏並座など、ありえないSF的な演出ばかりで、理論理屈が無いように思えたものです。 スペクタクルとしては面白いですが。 江戸時代の白隠...
思想・学問

損得か、思想信条の違いか

現在、世界の人口はおよそ70億人なのだそうです。 1900年にはおよそ16億人だったそうですから、怖ろしい勢いで増えていることになります。 一方、わが国をはじめ、先進国は減少傾向。 豊かな国で人口が減るのは不思議ですね。 人類にとっては永遠とも思える時間のなかで、今この瞬間に同時に生きているというのは、例え遠い異国の、会ったことも無い人であっても、強い縁があるのだろうと思います。 まして日本というマイナーな言語をあやつる1億ちょっとの人々は、まさに同胞。 その中でも家族や友人、同僚になって言葉を交わす人々というのは、奇跡のような確率の縁ですね。 そう思うと、身近な人も、そうでない人も、すべての人々が限りなく愛おしく感じられます。 一方で、戦争が絶えたことはなく、テロは頻発しています。 愚かなことですが、これが人間の限界なのでしょうか。 チンパンジーは、集団での戦闘を繰り返すのだとか。 一方、チンパンジーより少し小さいだけのボノボは、集団での戦闘を行うことはないそうです。 ボノボの特徴は、異性間でも同性間でも、疑似的性行為を頻繁に行い、親密さを増すことで、平和を保っているのだとか。 LO...
スポンサーリンク