
常不軽(じょうふきょう)
法華経の中に、常不軽菩薩品(じょうふきょうぼさつほん)という章があります。 法華経は大部の経典で、さまざまな、品つまり章立てがなされています。法華経〈上〉 (岩波文庫)坂本 幸男,岩本 裕岩波書店法華経〈中〉 (岩波文庫)坂本 幸男,岩本 裕岩波書店法華経〈下〉 (岩波文庫 青 304-3)坂本 幸男,岩本 裕岩波書店 火宅、つまり火事になっているのに気付かず、燃え盛る家で遊んでいる子供をとおして、人類の在り様を描いた譬喩品や、観音様の力の偉大さを描いた観世音菩薩普門品などは、なんとなく知っているという人が多いのではないかと思います。 で、常不軽菩薩品。 これは不思議な話です。 常不軽菩薩は、特段仏典を勉強するわけでもなく、ただひたすら、誰に対しても、「私はあなたを決して軽んじない、あなたは、菩薩としての修行を行ないなさい。あたながたは、正しく完全に覚った尊敬されるべき如来になるでありましょう」 と言い続け、時には逆にバカにされたと感じて怒り出す人もいるなか、ひたすらそれを言い続けるのです。 私は仏教を完全に独学で学びましたので、この品の正しい理解をしているとは思っていません。 しか...