思想・学問

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どのように、と、何ゆえに

昨日は4週間に1度の精神科通院日でした。 寛解状態が15年以上も続いている身であれば、毎度愚痴をこぼし、毎度同じ薬が処方されるという仕儀に相なることは仕方が無いと思います。 精神科クリニックが千葉駅近くにあることから、予約した診察時刻の2時間前にそごう千葉店に寄りました。 通勤用のビジネス・バッグを購入するためです。 今使っている物は10年以上使ってすっかりくたびれてしまったからです。 私は鞄には興味がありません。 鞄には何十万円も何百万円もする高価な物が存在するくらいの知識はありますが、鞄は中に必要な物を入れて持ち運ぶのがその役割であって、それを果たせてまぁまぁ見映えが良ければ何だって良いだろうというのが私の考えです。 で、2万円以下の安物を購入。 それでも鞄に金をかけたく無い私としては痛い出費です。 懐中時計は何十万円もするものをいくつも買っているのに。 通院前、東大教授で生物学者の小林武彦なる人物が書いた「生物はなぜ死ぬのか」という新書を読みました。 そのタイトルから哲学的な内容を想像したのが馬鹿でした。 著者は生物学者です。 自然科学の限界は、物事がどのように出来ているのかを解...
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生存に有利?

生物学者で東京大学定量生命科学研究所の小林武彦教授によると、人間本来の寿命は55歳程度だそうです。 ところが進化の過程で老いた個体がいる集団のほうが生存に有利に働くため、本来より長生きできるようになったと言います。 寿命の限界は120歳程度とみられ、過去最も長生きしたのは122歳で1997年に亡くなったフランス人女性だそうです。 意外だったのは栄養状態が良くなり、医学が進歩したことが寿命が延びた理由だと思っていたのですが、小林武彦教授によるとそうではないようです。 老いた個体がいる集団のほうが生存に有利に働くため。 そんなことは想像の外でした。 そうだとすると、栄養状態よりも医学の進歩よりも進化の過程で得た生存に有利な条件こそが原因だということになります。 遺伝子のなせる技というか、深謀遠慮というか。 ユダヤ教・キリスト教・イスラム教のヤハウェの三宗教では神様が全てを創造したということになっているので、寿命が延びたのも予め神様によってプログラミングされていたと解釈するのかもしれません。 しかし何から何まで神様が創ったとするのは無理があるように思います。 キリスト教原理主義者は進化論を否...
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刹那

今朝は午前10時からかねて予約してあった歯医者に行きました。 歯のクリーニングのためです。 コロナ流行の間、全く歯医者に行っていなかったのですが、三か月前に歯のクリーニングを再開しました。 これからは三か月に一度歯医者に通う予定です。 昨日と同様によく晴れて師走とは思えない暖かさでしたが、今日は歯医者に行った以外は家でのんびり日向ぼっこなどしながらダラダラ過ごしました。 人生暇つぶしという言説は時折耳にしますが、生まれてしまった以上死ぬまで生きなければならず、生きるということになんらの意味が無いのだとすればまさしく人は暇つぶしのみで人生を終えることになります。 生きるということに価値を見出そうとしても、それは切ないことだと思います。 出世欲が強くて出世したとしても、スポーツや芸術、学問の世界で成功したとしても、大金を稼いだとしてもそれはわずか70~80年、せいぜい100年のことです。 訳も分からず生まれて、訳もわからず生きて、ただ死んでしまうのが人というものです。 うつ状態の時、精神科医は私が自殺でもすると思ったのか、人間は生きているだけで価値がある、と言いました。 その時、この医者は...
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幸福感

この世でおめでたいことと言えば、男女がカップルになって子供を授かる以上のことはありますまい。 最近差別してはいけないと言われるLGBT、もちろん彼ら彼女らを性的嗜好に依って差別する気はありません。 しかし子供を授かるという僥倖に恵まれないことについては、覚悟をもって生きなければならないと思います。 LGBT(特にLとG)に関しては自分の子孫は絶対に残せないということ。 男女であっても子供を授かることが出来ないカップルはいつの時代にも一定の割合で存在するものと思います。 そういう私たち自身、子宝に恵まれませんでした。 世界で一番おめでたいことを経験出来なかったことは残念に思います。 結果論に過ぎないのかもしれませんが、私たちもまた、LGBTの人々と同様、子孫を残せませんでした。 28歳で結婚し、40歳くらいまで子供なんて面倒な者はいらないと思っていましたが、子供が出来たら嬉しいんだろうなと思い始めました。 しかし、時すでに遅し。 年齢的に不可能になりました。 私が最近好んで観る中年ゲイカップルの日常を淡々と描いた「きのう何食べた?」において、ゲイである主人公は両親に孫の顔が見せられないか...
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無常

最近、近所のお店が次々と畳んでいます。 しばらく前に撤退したモスバーガー、なかなか次のテナントが入りません。 住まいの向かい側にあったお気に入りのイタリア料理店。 23年前、マンションに入居した時は洋食屋でした。 その後本格的なバーになりましたが数年で撤退。 イタリア料理店は18年頑張って、それなりに繁盛していましたが、コロナの流行や物価高に勝てなかったようで、誠に残念です。 その店が撤退し、建物も壊されて更地になりました。 次は何になるのやら。 マンションの隣にはコナミスポーツクラブがあり、スポーツクラブは2階から6階で、1階には書店とDVDのレンタル店が入っていたのですが、1階の両店舗が出ていくことになりました。 本はインターネットで購入する人が多いし、DVDもインターネットで借りられます。 実店舗は相当体力が無いと厳しいでしょう。 反対側のお隣はパチンコ屋でしたが、数年前に葬儀屋になりました。 徒歩5分ほどの所にあった回転ずし屋はドラッグストアになりました。 お花屋さんはコインランドリーになり、クリーニング屋はリサイクルショップになりました。 町の様子が変わってきています。 私は...