昨夜、DVDで「CUBE」を観ました。
立方体の各面にドアが一つ。
その立方体に六人の男女が同じ作業着のような服を着て、目覚めます。
なぜそこにいるのか、誰が連れてきたのか、連れてきた者の意図は何なのか、立方体はどういう構造になっているのか、謎だらけです。
6つあるドアを開け、中をのぞきこんでみると、同じように各面にドアがある立方体です。
ただし、ドアには9ケタの数字が刻まれています。
ドアを開け、他の立方体に入ってみる男女。
しかし立方体には、安全な立方体と、罠を仕掛けられた立方体があることに気付きます。
罠は、誰かが入ってくると硫酸が吹き出てくるものだったり、音がすると無数の槍が突き出てくるものだったり。
いずれにしろ、命を奪われる危険性が高い罠です。
9ケタの数字に数学科専攻の女子大生が挑みます。
素数なのか、因数分解による解に秘密があるのか、暗号か。
安全な立方体を選んで進むうち、六人は疑心暗鬼に陥ります。
この中にこの企みの首謀者あるいはスパイがいるのではないか、永遠にこのキューブ(立方体)地獄から抜け出せないのではないか。
六人はあるいは主導権を握ろうとし、あるいは自暴自棄になり、あるいは外へ通じる立方体を目指すことだけに集中しようとします。
そして一人、また一人と罠にはまり、あるいは仲間割れによる殺害で命を失っていきます。
究極のシチュエーション・スリラーですが、むしろ上質な心理劇の趣が強いように感じました。
スタイリッシュな映像とゲーム感覚あふれる緊張感を持った映画です。
たった六人で、同じ運命を背負った危機的状況であっても、主導権争いや闘争が起きる人間という種の愚かさが暴かれます。
シチュエーションの謎は解明されないまま映画は終わります。
この映画は、見事な心理サスペンスに仕上がっています。
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