CUBE ZERO

映画

 昨夜は「CUBE」の続編というか解説編というか、「CUBE ZERO」を観ました。
 「CUBE」はスタイリッシュで美しく残酷な、完成された作品でした。
 
 「CUBE ZERO」では、立方体に入れられる人々を死刑囚とし、死刑執行か立方体に入るかを自らの意思で選んだうえで、記憶を消されて立方体に入る、と説明しています。
 本作の主人公は立方体で苦しむ死刑囚ではなく、それをモニターで監視する下っ端役人。
 顔さえ見たことのない幹部からの命令で、立方体を動かしたり、殺人トラップを仕掛けたりして、さまざまなデータをとります。
 そのデータが何に使われるかは全く分かりませんし、どんな組織がCUBEを運営しているのかもわかりません。
 あるとき、下っ端役人の一人が立方体に無実の女がいることに気づき、自ら立方体に入り、彼女を救出しようとします。
 そのことを発見したホワイトカラーの中堅幹部が初めてモニタールームに現れ、ゲシュタポを彷彿とさせるいかにもな嫌らしい役人風を吹かせます。
 そして、下っ端役人はCUBEの恐ろしさに改めて気付かされるのです。

 前作、「CUBE」で観られたスタイリッシュな美しさはありません。
 シンプルな謎もありません。
 あるのは、カフカ風の不条理な世界。
 「CUBE」に解がほしかった方には良いかもしれませんが、蛇足の感は否めません。
 「CUBE」に続編はいらなかったのではないでしょうか。

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