昨夜はB級感漂う心霊ホラーを鑑賞しました。
「HAUNTING 震!悪魔の棲む家」です。
森の中に傲然と建つ増築を繰り返した豪邸。
今は空き家となり、管理人として住み込むことになった夫婦と中学生の娘の3人家族。
管理人用の小さな家ではなく、巨大な邸宅に住むことを許された家族は、狂喜乱舞して豪邸を探検します。
すると古い写真があり、その中の1人は小さな黒板を首にぶら下げています。
管理人一家は、おそらく耳が不自由で、黒板で筆談をしていたのだろうと推測します。
引っ越した当日、車が泊まっているのを見かけた黒人の超常現象研究家が訪れます。
管理人一家は彼を早々に追い返しますが、超常現象研究家は名刺を渡し、困ったことがあったら連絡してくれ、と言い残し、帰ります。
そして、これでもか、と起こる不思議な現象。
一般にホラー映画は、いかに見せないかが命だと思いますが、この映画はサービス満点で次から次へと幽霊が出現したりポルターガイスト現象が起きたり。
遊園地のお化け屋敷のようです。
ストーリーはありふれたものですが、ラストは驚きでした。
「アザーズ」を彷彿とさせるラスト。
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ポニーキャニオン |
要するに、幽霊に苦しめられていると思っていた管理人一家自身が、屋敷に向かう途中交通事故で死亡しており、生きていると思い込んでいた幽霊であったというわけです。
そのことを知った妻は、夫と娘にはそのことを隠し、生きていると思わせたまま、屋敷で暮らしていこうとするのです。
訳も分からず突然死した者の気持ちを思えば、それもまた切ないばかりに胸を打ちます。
こうしてまた、屋敷に住まう幽霊は増えてしまうのですねぇ。
よく突然死した者は自分が死んだことに気付かず、生きているつもりでこの世に留まる、という話を耳にします。
それは邪悪な存在ではあり得ないでしょう。
厄介なのは、自分が死霊であると自覚しながら、あの世へ行くことを拒否してこの世に留まる者。
それは恨みや深すぎる恋情などの強い情があるからこそ。
それはもはや悪霊となるしかありえますまい。
そうであるならば、私たちは、仏教が説く縁起や因果の理屈を知り、死を受け入れ、例え突然死であっても、きちんと新しいステージに向かう潔さが求められます。
そうでなければ、おそらく一番苦しいのは悪霊となってしまった本人だと思うのです。