1960年代、主に先進国で、学生運動の嵐が吹き荒れました。
70年代には、その失敗から、ニュー・エイジ運動などが起き、盛んにLove &Peaceということが叫ばれましたね。
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尾形 守 | |
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直訳すれば、愛と平和。
なんとも素晴らしい、高邁な理想です。
それが実現すれば、人類は新たな地平にたどり着くことができるでしょう。
しかし、猿の子孫たる人類には困難なことであったようです。
世界を支配しているのは、力。
軍事力だったり経済力だったりのハードと、文化やスポーツなどのソフト、両方の力です。
そして力を持つ者が考える正義がそのまま正義となり、それに反する者は悪と見なされ、場合によっては掃討の対象となります。
それによって、世界の平和は保たれます。
いわば、Love &War=愛と戦いですね。
かつてわが国は、大東亜共栄圏、五族協和、八紘一宇など、白人による植民地支配の打破という高邁な理想を大義として、言わば恒久平和を目指して戦い、力及ばず敗れてしまいました。
誠に残念なことです。
しかし、Love &Warの法則に従い、わが国はその後70年もの平和を享受することになりました。
もちろん、恒久平和ということは考えられません。
例え千年間平和が維持されても、その翌年に戦争が勃発するかもしれません。
重要なのは、彼我の総合的な力の差を見極めて、もっとも平和を維持できる方法を永遠に、毎日模索し続けるしかありません。
面倒なことですが。
現実としてLove & Warが世界平和の基本だとするならば、一体正義というのは何者なのでしょうね。
善と悪、光と闇、天使と悪魔。
対立する概念があり、一方を懲らしめることでしか平和を維持できないのなら、悪が悪であり、闇が闇である理由は、敗れたという事実しかありはしません。
絶望的な考えではありますが、世界は絶望的に出来ているという冷厳な事実を受け止め、Love & Warが世界の平和を維持せしめているということを認めなければ、社会を構成する大人として、世界平和に貢献することは不可能でしょうね。
それにつけても厭な社会です。