今日は静かに読書をして過ごしました。
湊なかえの「Nのために」を読みました。
知りませんでしたが、ドラマ化もされているんですね。
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湊 かなえ | |
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榮倉奈々,山本剛義,阿南昭宏 | |
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高級高層マンションで、夫婦が殺されます。
その現場に居合わせた人たちが、それぞれ一人称で事件について語る、という構成になっています。
第一章では、警察の質問に答える形で、それぞれの証言の食い違いはありません。
しかし第二章以降、現場に居合わせた者たちが、真相を語りだしたとき、警察に話した内容とは全く異なる事件の全容が明らかになります。
一人称ですから、当然、主観で語られます。
そうなると、同じ事件が異なった様相を呈します。
ちょうど、芥川龍之介の「藪の中」のように。
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芥川 龍之介 | |
講談社 |
それぞれの生い立ちなども判明し、読後感の悪い作品になっています。
Nとは、登場人物6人全員を指しています。
6人ともが、苗字か名前のイニシャルがNなのです。
それぞれが、自分とは違うNのために、時は嘘をつき、時には自分をだます。
人間とは救いがたいものだと感じさせられます。
この作者の作品が大体そうであるように、後味の悪さが快感になるような気分を覚えます。
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