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文学

わがために くる秋にしも あらなくに

なんだか急に秋めいてきましたね。 日差しは強いですが、空気が乾燥してひんやりし、なんだか避暑地に来たような気分です。 体が楽ですねぇ。 待ち望んだ季節の到来なのに、どこか気分が晴れません。   わがために くる秋にしも あらなくに 虫のねきけば まづぞかなしき  古今和歌集に所収の詠み人しらずの和歌です。 自分のために秋が来るわけでもないのに、虫の声を聞くと、真っ先に悲しくなる、というほどの意かと思います。 読書の秋、食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋と、秋は様々な活動に適した過ごしやすい季節です。 にも関わらず、秋の気配を感じただけで、なんとなく、悲しくなるというのは不思議ですね。 メランコリーの秋、というものが、確かに在るようです。  おほかたの 秋くるからに 我身こそ かなしきものと 思ひしりぬれ  ひととおり秋が来るとすぐ、わが身をば、哀しい者と思い知った、というほどの意で、女性の目線で詠まれた和歌と思われます。 なんとなく、男女のことが原因のように感じられて、純粋な悲しみとは違うようです。 こちらも古今和歌集の詠み人知らずです。  秋の夜の あくるもしらず なくむしは わがごと...
社会・政治

衆議院外務委員長

衆議院外務委員長に田中真紀子氏が内定したそうですね。 野田総理、お気は確か? この前全府省の事務次官を集めて野田政権への協力を依頼して、脱・脱官僚を宣言したばかり。 このタイミングで外務委員長に田中真紀子氏はないでしょう。 小泉政権下、外務大臣を務めた田中真紀子氏。 部下である外務官僚を評して、外務省は伏魔殿と言い放ち、外務官僚から総すかんを喰らって更迭された事件をお忘れか。 私が見るところ、田中真紀子氏は中途半端に頭がよく、異常にプライドが高く、周りはイエスマンだらけでなければ気が済まない、職場にたまにいる困った管理職だったのだろうと思います。 外務官僚だって政権党が送り込んできた大臣とはうまくやりたかったはず。 しかし外務官僚のプライドをずたずたにした物の言い方を知らない大臣では、うまくやりたくてもやりようがなかったのでしょう。 大臣が最初から役人を敵視すれば、官僚機構は動かず、政権運営が行き詰まるのは過去2代の民主党政権でいやというほど味わったはず。 今回、田中真紀子氏は外務大臣ではなく、外務委員長ですが、因縁浅からぬ外務省幹部のお歴々と密接な連絡を行わなければ、仕事は進みません...
社会・政治

1周年

尖閣諸島沖での中国漁船が海上保安庁の警備艇にぶつかってきた事件から、今日で1年だそうですね。 海上保安庁職員の一人が職を賭して映像をWEB上に公開したおかげで、事件の真相は世界に広く知られました。 中国漁船の船長は帰国時英雄扱いだったらしいですが、今は自宅に軟禁されているそうです。 その一周年の今日、またいやなニュースが飛び込んできました。 東シナ海を情報収集集のため飛行していた航空自衛隊の哨戒機を、中国の戦闘機が追尾、日中中間線を超えてまで追ってきたとかで、これは史上初の暴挙です。 沖縄の航空自衛隊は直ちにF15戦闘機を緊急発進させ、中国戦闘機は引き返したそうです。 大事には至りませんでしたが、こういう小さないざこざの積み重ねが、互いの不信感を増し、対立は先鋭になっていくのですよねぇ。 中国が国際常識に反した行動を取った場合、わが国は国際常識に照らして妥当な範囲で、これをけん制しなければなりません。 日本がどこまでも隠忍自重するというメッセージを中国に与えることは、日本与し易しとの印象を与え、最悪中国による日本領土への侵攻という事態を招くでしょう。 尖閣諸島への中国による侵攻は可能性...
社会・政治

自爆

タリバンなどのイスラム過激派は、イラクやアフガニスタンで、毎日のように自爆テロを続けています。 最近タリバンは、10歳から15歳くらいの少年を洗脳し、自爆テロ要員に仕立て上げているそうです。 子どもは信じやすいため、洗脳が簡単で、しかもテロ実行に際、警戒されにくいというメリットがあるのだとか。 子どもには、爆弾が爆発しても実行犯だけは死なないとか、死んでもイスラムのために聖戦を完遂した英雄として天国に行けるとか言って騙し、実行直前には精神安定剤を注射して緊張を和らげているそうです。 怖ろしいですねぇ。 悪魔の所業です。 これが聖戦などであるわけがありません。 先日、アフガニスタンのカルザイ大統領は、自爆テロ実行前に逮捕したこれら少年に真実を教え、ラマダン(断食月)あけを祝って恩赦を与えたそうですが、一部の少年は、あくまでもイスラム戦士として戦いぬく、異教徒を追い出す、などと言って恩赦を取り消されたそうです。少年に恩赦を与えるカルザイ大統領です。 哀れですねぇ。 アフガニスタンといえば、旧ソビエトと長く戦い、少し平和が訪れたかと思ったら米国と戦い、子どもたちは戦争しか知らないのですよねぇ...
思想・学問

人工細胞

化学物質を使って人工的に合成した細胞を、生きもののように自己増殖させることに、菅原正東大名誉教授らのチームが成功し、5日、英科学誌ネイチャーケミストリーに発表したそうです。 内部にはあらかじめDNAを入れており、DNAの入った人工細胞を増殖させたのは世界初だとか。 快挙であることに違いないのに、なぜかスペースシャトルの打ち上げや、新薬の発明に比べて、何となく後ろめたい気持ちがするから不思議です。 人工細胞が自ら増殖を始めたということは、人間由来の生物が誕生する可能性があるということで、見方を変えればすでに誕生してしまった、ともいえます。 生命の定義の問題になりますが。 しかし太古の昔、生物は微細胞が始まりだったと考えられ、人工細胞も最小単位の生物と考えるのが正当なのではないでしょうか。 この人工細胞、色々な医療に応用できるようですが、例えば不妊治療に有効となった場合、生まれた子は何者なんでしょうね。自己増殖した人工細胞です。 これらの細胞を使い、生命の起源に迫ろうとする研究者も出てくるでしょう。 しかし過去、同じようなことが起こったと、どうして言えましょう。 昨日観た「コンスタンティン...
社会・政治

性犯罪歴

大阪の橋下府知事が、子どもを相手にした性犯罪者に、居住地の届け出を求める条例案を作成するよう指示したそうです。 現に米国などでは、性犯罪者は再犯率が極めて高いことから、前科者の居住地を広く住民に周知し、声かけを徹底するなど、防犯に努めています。 わが国ではプライバシー保護の観点から、なかなかそうった人権を無視するような措置はとれないでいます。 難しいですねぇ。 刑期を終えて出てくれば、前科者といえども完全に人権が認められなければなりません。 しかし、それは建前。 現実には性犯罪者に怯える子どもや親がおり、事件発生を未然に防ぐことが、一番良いことは、警察も重々承知しています。 現実重視か、建前重視か。 また、満期出所した者は更生が成ったという建前を信じるか、それとも性的嗜好は変わるわけがないので、危険人物として観察すべきか。 私はこの難しい問題に答えを見つけられないでいます。 プライバシーなどの人権を万民に認めるのは、現代社会が勝ち取った最も大きな果実です。 それを後退させたくない、という気持ちを、私は強く持っています。 しかしすぐ隣に、凶暴な性犯罪者が住んでいたらどう思うのだ?と問われ...
映画

コンスタンティン

戦闘的で強引なエクソシストが大活躍するホラー・アクション「コンスタンティン」を昨夜鑑賞しました。 子どもの頃から見えないはずの者がみえてしまう能力を持ったコンスタンティン。 少年時代、それを苦に自殺を図ったことから、自分が地獄に落ちることを知ります。 カトリックでは自殺は重罪ですから。 長じて、人間界に入り込持とうする悪魔の手下を地獄に送り返すエクソシズムを繰り返すことで、点数を稼ぎ、天国への切符を手に入れるべく、日々悪魔の手下と戦います。 そんな単純なアクションなのかと思っていたら、悪魔、天使、人間の壮大なドラマへと昇華していきます。 サタンに堕した地獄の王にして以前神に次ぐ高い地位の天使だったルシファー、その息子マモーは、父の地獄支配に嫌気がさし、人間界を第二の地獄として自ら支配者になりたい、という欲望を持ちます。 ことが成就するための条件は、まず、触媒となる優れた人間の存在、それと、天使の協力。 コンスタンティンは古文書学者からその条件を聞き、神のしもべたる天使がそんなことに協力するはずがない、と信じ、触媒に選ばれた女刑事を守るために働きますが、そこに大天使ガブリエルが現れ、マモ...
文学

審美

安岡章太郎の小説に、「舌出し天使」というのがあります。 これを読んだのは中学生の頃のことで、もう内容もおぼろなのですが、恥ずかしながら服部達という33歳で自殺した文芸評論家をモデルにした作品だということは、大学を出るまで知りませんでした。 「舌出し天使」は戦地から帰った青年の女難めいた悲喜劇をやや自虐っぽいユーモアのスパイスを効かせた作品で、中学生の私には面白く感じられました。 もっとも、これが安岡章太郎の失敗作として評論家に迎えられているらしいのですが。 先日、服部達の「われらにとって美は存在するか」といういかめしいタイトルの遺稿集を読む機会に恵まれました。 服部達という人、その当時文芸評論家の間で流行していたマルクス主義的アプローチや、思い入れたっぷりの作家べったりな批評を拒絶し、純粋に審美的な方法を目指したとされています。 その当時は知りませんが、そんなことは私が物心ついた頃から当たり前でしたけどねぇ。 文学作品というのは作者と読者の共同作業によって出来上がる神秘体験であると意味付け、サルトルの次のような文章を引用しています。 生産者の側から見るならば、美を支えるものは想像力の働...
社会・政治

伝統

私はわが国のみならず、あらゆる国家・民族の伝統を重んじる者ですが、数年前に韓国の一部学者・ジャーナリストが言い出したことには驚きとともに失笑を禁じ得ませんでした。 すなわち、漢字は朝鮮民族が発明した、孔子は朝鮮民族出身だった、サッカーは朝鮮民族が発明した、などの主張です。 しかも根拠は明確ではありません。 ドイツ人が製品を発明し、日本人が商品化し、中国人が大量生産し、韓国人は起源を主張する、というジョークがありますが、正にジョークを地で行くような主張ですねぇ。  まだ日本人は朝鮮人の子孫とでも言ったほうが、多少真実味があるような気がします。 止せばいいのに中国人がネット上でこれに激しく反発し、もともと関係性の良くない中韓両国の感情的な言い合いに発展しました。 最近では台湾が、漢字を世界遺産に申請すべく、大陸に誘いをかけているそうです。 その理由が、うかうかしていると韓国が世界遺産に申請してしまうから、だそうです。  面白いですねぇ. 中国と朝鮮半島は地続きだからいさかいが起きやすいのは当然ですが、それにしてもねぇ。 中国人のマナーの悪さ、韓国人の自己主張の強さが災いして互いを嫌い合い、...
社会・政治

認知症

フランスのシラク前大統領が認知症にかかり、会話もおぼつかない、というニュースが飛び込んできました。 シラク前大統領といえば、ド・ゴール主義の保守政治家で、そのバイタリティは日本でいえば田中角栄と中曽根康弘を足したような感じ、米国でいえばレーガン元大統領のような感じで、1995年には核実験禁止条約発効直前に核実験を繰り返し、イグ・ノーベル平和賞を受賞するという不名誉を受けたタカ派でした。 また、大の親日家で相撲好きでも知られ、来日回数は50回を超え、パリ市長時代と大統領時代にそれぞれ大相撲パリ場所を主催しましたね。 学生時代に東洋文化専門の博物館に通い詰め、日本への憧れを募らせたそうで、日本に滞在していると、自宅にいるような気分で心からリラックスできる、とまで言ったそうです。 元横綱、貴乃花から綱と軍配を贈られ、子どものように喜んだとか。 場所中の在日フランス大使館員の重要な仕事は、毎日取組結果をエリゼ宮に報告することだったというから驚きです。 特に立会前の仕切りに相撲の神髄があるとし、仕切りの時の力士ほど、眼光鋭い者はない、と言って、単なる格闘技としてではなく、精神文化としても高く評価...
映画

サブリミナル

今日はやや難解なSF映画「サブリミナル」をDVDで鑑賞しました。 結婚寸前に婚約破棄された青年、自殺未遂を繰り返す女子美大生、イラク戦争から帰国後、精神を病んで入院中に失踪した息子を探す父親、ロンドンで暮らす何の関係もない3人の物語と、架空の都市、ミーンワイル・シティで新興宗教の教祖暗殺を企む謎の覆面男の物語が、脈絡もないまま同時並行で進みます。 観る者はわけもわからぬまま、灰色を基調とした暗い映像の中に引き込まれていきます。 やがてミーンワイル・シティの覆面男は、イラク帰りの兵士が深層意識の中で築きあげた架空の世界だということがわかります。 婚約破棄された青年は少年の頃空想の中で作った恋人だった女性と再会、女子美大生は自分の意識を探るために自殺未遂の映像を録画し続けます。 それぞれに心に傷を負った登場人物たち。 彼らが偶然あるレストランで一堂に会するとき、悲劇が起こります。 1981年の大作「愛と悲しみのボレロ」と構成が似ているな、と思いました。 1930年代から60年代までの30年に渡る4つの家族の絵空事めいた悲喜劇を、パリ、ベルリン、モスクワ、ニューヨークを舞台に同時並行で描き、...
映画

バッド・トリップ

「ゾンビ・ランド」や「ソーシャル・ネットワーク」などで売り出し中の若手俳優、ジェシーアイゼンバーグ主演の「バッド・トリップ」を観ました。 タイトルから想像される幻想的で魅惑的な悪の世界を描いたサスペンスを期待すると、見事に裏切られます。 ニュー・ヨークの一角、厳格なユダヤ教徒のコミュニティで育った青年。 彼はユダヤ教の指導者、ラビになることを希望し、日々勉学に励んでいます。 しかしある日、隣家に住む友人にそそのかされて、中身がMDMAだとは知らずに運び屋を勤め、大金を手にします。 やがて裏組織のなかでユダヤ人らしい商魂を発揮し、のし上がっていきます。 黒い服に黒い帽子、不自然に伸ばしたもみ上げ、いかにも厳格なユダヤ教徒然とした外見で税関をだましますが、正統的ユダヤ教徒がどういうものか分からない私には、感情移入できませんでした。 どちらかというと地味な人間ドラマと言う感じで、しかも主人公のバック・グラウンドが物語の重要な要素になっているうえ、そのバック・グラウンドが意味するところを理解できないのでは、楽しめるはずもありません。 私には退屈でした。バッド・トリップ 100万個のエクスタシー...
精神障害

診察

今日は二週間に一度の診察がありました。 じつはこの頃、仕事上で厄介な問題を抱えています。 すなわち、国庫金から支出される科学研究費補助金が、震災復興の財源をまかなうため、交付決定額の7割しか配分されていないのです。 最初は、後日残りの3割が振り込まれる、という話でした。 しかし最近、残り3割はカットになるのではないか、という噂が、大学などの教育研究機関の間でとびかっています。 私が勤務する国立の研究機関は比較的規模が小さいですが、それでも、交付決定額の3割というと、3千万円にも及びます。 科学研究費補助金はわが国の研究を支えてきた基幹的な資金であり、これが日本国中の大学等で一律3割カットされれば、わが国の教育研究に与える影響は計り知れません。 例えば、グローバルCOEのような大型の補助金ですと、一人の研究者に1億円以上の補助金を交付することになります。 それが3割カットされれば、7千万円。 研究計画を大幅に見直さざるを得ません。 もちろん、震災復興は急務であり、これを優先することは当然です。 しかし、国家の度量を測る指標ともいうべき科学研究費補助金を一律3割カットとは、いかにも乱暴な話...
映画

藤山直美の熱演が光る怪作「顔」を鑑賞しました。 暗い性格で引きこもりの中年女性、正子。 正子は母親の通夜の晩、明るく美人でホステスをしている日頃から不仲の妹を殺害してしまいます。 そこから、奇想天外な正子の逃亡劇が始まります。 ラブホテルの従業員、大分のスナック、九州の離島で漁業の手伝い、と流れていきます。 そのたびに、正子の表情は明るくなり、魅力的な女性へと変貌を遂げていきます。 子どもの頃夢だった自転車を乗り回し、会社の顧客データを盗んで会社をゆする佐藤浩一演じる元エリートサラリーマンに恋をし、それまでの引きこもりの人生の憂さを晴らすかのように弾けていきます。 藤山直美が、最初はドン臭くてひねくれた厭な女が、可愛らしい女性へと変貌を遂げていくさまを、自然に演じて、飽きさせません。 ラストでは、自転車と同様子どもの頃の夢だった泳ぐ事を、図らずもかなえてしまいます。 離島で犯人であることがばれて、浮き輪一つで海に泳ぎだすのです。 どこまでも生きようとするその姿は、感動的ですらあります。 彼女は無事に海をおよぎきりましたでしょうか、それとも力尽き、海の藻屑と消えたでしょうか、はたまた警察...
文学

台風

今日は大雨のはずだったのに、千葉市は薄曇りです。 なんだか拍子抜け。 私は7年ほど前に精神病を発病し、個人的にはずいぶん色々なことがあり、今思えば私のたましいは嵐の中にあったように思います。 しかしここ一年半ばかりは、すっかり落ち着きを取り戻し、凪いだ状態です。 高浜虚子に、 人生の 台風圏に 今入りし という句がありますが、今の私は台風圏から脱したところのような気分でいます。 そして現実の台風も、今日、私をマンションの中に閉じ込めるはずだったところ、一向に雨も風も私を襲う気配がありません。 私のたましいは、現実の台風をすら、はねつけてしまったのでしょうか。 もう、人生の台風圏に再突入するのは願い下げです。 凪いだ状態のまま、静かに、人生を泳いで生きたいものです。俳句はかく解しかく味う (岩波文庫)高浜 虚子岩波書店虚子五句集 (上) (岩波文庫)高浜 虚子岩波書店虚子五句集 (下) (岩波文庫)高浜 虚子岩波書店にほんブログ村 ↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
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