スポンサーリンク
思想・学問

TFT 思考場療法

昨夜書店を冷やかしていたら、変わった本を見つけました。 森川綾女という心理カウンセラーの「ツボ打ちTFT療法 漢方と科学を融合して心身をリセット」と「たった2分で心がスッキリする『体のツボ」』」です。 TFTというのは、Thought Field Therapyの略で、思考場療法と訳されていました。 これはある米国の心理カウンセラーが、水恐怖症の患者を治療するなかで、「水を考えるだけで胃が痛くなる」という患者の言葉を聞いて、たまたま漢方を学んだことがあり、胃は経絡では目の下がツボだと思いだし、患者に指で目の下をトントンと数十秒押させたところ、胃痛が収まるどころか、水への恐怖そのものが劇的に軽快した体験をきっかけにして生まれた療法だそうです。 このカウンセラーはその後10年間何千人もの患者に、色々なツボを押す治療を試みて、ついに簡単で誰にでもできるツボ押しの技法を完成させ、今ではイラク戦争でPTSDとなった兵士の心のケアや、災害にあった人々の治療に役立てているそうです。 日本では、新潟中越地震の際、被災者にTFTのやり方を書いた冊子を配布し、一定の効果を得た、とのことです。 日本でも一部...
思想・学問

情報整理への欲望

パソコンが普及してからというもの、パソコンを起動しない日はなくなってしまいました。  ただの道具であるパソコンが、これほど多くの用途に使われるのは驚異的です。 文書作成だったり表計算だったりメールだったりインターネットだったり動画だったりゲームだったり、各種ソーシャル・メディアだったり。  そのなかで検索ということに関しては、Googleの巨大さは突出しています。 Googleは世界の情報を整理する、という掛け声のもとに、驚くべき検索エンジンを築きあげました。 単にあるページに関連の言葉があるかどうかという基準だけではなく、そのページがどれだけの人にリンクしているかを瞬時に見分け、多くの人がリンクするものは良いものだと言う前提のもと、たちどころに検索を終えてしまいます。 情報整理への欲望と言っても良いものです。 そしてその巨大過ぎる欲望は、私たちに畏怖を起こさせます。  そのような欲望に取りつかれた人は、昔からいました。 そういう人々は、昔であれば巨大な図書館を作り、日々情報を蓄積して巨大化させ、しかも整理分類して情報を求める者にたちどころに渡して見せる、という離れ業に自己陶酔してきま...
映画

放送禁止 劇場版~密着68日 復讐執行人

昨夜はカルト的な人気を誇るフジテレビの深夜番組「放送禁止」の映画版、「放送禁止 劇場版~密着68日 復讐執行人」を鑑賞しました。 「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」以来すっかり定着した感のあるフェイク・ドキュメンタリー。 事実のように見せるフィクションです。 撮影したけどお蔵入りになった番組、という触れ込みです。 復讐請負サイト、シエロを密着取材することになったディレクター。 やがてディレクターはシエロにのめり込み、シエロの協力者になっていきます。 白い仮面を取ろうとしないサイト管理人の女。 なぜ復讐請負サイトを立ち上げ、殺人をも厭わない違法行為を犯し続けるのか。 そこには管理人の高校時代の暗い記憶がありました。 そして管理人とディレクターの意外なつながり。 人を呪わば穴二つ。 復讐を生業とする者に、当然ともいえる悲劇が襲います。 私はテレビの「放送禁止」シリーズは見ていないのですが、この映画、なんとなく作りが安っぽく、フェイク仕立てにしたことでよけい嘘っぽくなっています。 これなら普通のフィクションとして撮ったほうが良かったんじゃないかと思います。 ただ、安っぽいくらいなので、肩が凝...
文学

希薄

2009年、村上春樹がエルサレム賞を受賞したとき、私は初めて、しゃべって動く村上春樹を目撃しました。 村上春樹という人はそもそも存在しないんじゃないか、という漠然とした予感のようなものを感じていた私は、生身のさえない中年男をテレビで見て、失望を感じたものです。 デヴュー作「風の歌を聴け」は大学生のわずか19日間を描いた小説ですが、そこにはドラマがありながらストーリーが希薄で、架空の米人作家、ハートフィールドなる人物に仮託して作家の思いを語ったり、なんだか現実感がないのです。 そこが魅力なのですが、この希薄さはなんだろうと、何度も読み返したことを思い出します。 続く「1973年のピンボール」・「羊をめぐる冒険」・「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」と、確かな物語がありながら、何か希薄なのです。 そのような印象から、村上春樹という作家は存在しない、もしくは表に出てこない、と勝手に決め付けていて、エルサレムでイスラエルを批判する政治的なスピーチをする丸顔の中年を見て、腰が抜けるほど驚いた、という次第です。 三島由紀夫や石原慎太郎、村上龍のように過剰にマスコミに登場する小説家もいれば...
文学

遊行女婦(うかれめ)

律令制の時代、都から各地に任官した役人は、地方役人から接待を受けました。 今と同じですね。 今、女性のいるお店で接待するのと同様、その昔宴席で和歌を詠んだり踊りを踊ったりする女性に遊行女婦(うかれめ)がいたそうです。 遊行女婦(うかれめ)は教養あふれる地方の名士であったらしく、万葉集に都からきた役人と恋歌を交わしたりしています。 おほならば かもかもせむを 畏(かしこ)みと 振りたき袖を 忍びてあるかも  児島(あなた様が普通のお方ならば別れを惜しんであれもこれもといたしましょうに、 畏れ多き身分のお方なのでこのようにお別れのしるしの袖を振りたくてもじっと我慢して耐え忍んでおります) 大和道(じ)は 雲隠(くもがく)りたり しかれども 我が振る袖を 無礼(なめ)しと思(も)ふな 児島(とは云うもののあなた様がはるか遠い雲の彼方と思われる大和にお帰りになると思うと、もう二度とお会いできないという気持がこみ上げ、ついに堪えきれず袖を振ってしまいました。どうか無礼な仕業とお思い下さいますな) 旅人も落涙を禁じえず、大勢の人の前で次の歌を返します。 ますらをと 思へる我や水茎の 水城(みづき)...
社会・政治

独裁者、敗れる

阿久根市の竹原前市長、選挙に敗れましたね。 彼の政治手法については、このブログでも何度か取り上げ、危惧を表明してきました。 市職員組合とマスコミに負けた、とコメントしていましたね。 これは民主党とも相通じる大きな誤解です。 市職員は部下、敵ではありません。 部下を敵に回して仕事はできません。  竹原前市長がやろうとしたことは、それほど過激なことではありません。 破綻寸前の阿久根市の現状に鑑み、市議や職員の給与を削減しようとしたことは、納得できます。 しかし、やり方があまりに独善的でした。 本来災害時などのやむを得ない場合を想定して専決処分という行政行為が許されているのを悪用して、平時にも関わらず議会を開かず専決処分を連発。 張り紙を剥がしただけの職員を懲戒免職。 議会への出席拒否。 自分に批判的な人物が理事長を務める保育施設への補助金凍結。 でたらめです。  おのれ一人阿久根市の救世主のような顔をして、人の意見に耳を傾けようとしない。 市長は市民から選ばれていますが、市議も市民から選ばれていることを忘れているようでした。 今回、阿久根市民が良識を示したことは良かったと思います。 無事こ...
その他

金春流定例会

今日は国立能楽堂に金春流の定例会を観にいきました。 能はおめでたい岩舟と動きの激しい八島。 狂言は鞍馬参りです。 とくに八島が印象に残りました。 旅の僧の前で義経の亡霊が合戦シーンを模して激しく舞います。 刀をぬいて乱舞するそのさまは、義経の無念を痛いほど感じさせました。「八島」の義経です。  久しぶりに能を観にいって思ったのは、欧米系の外国人客が多いな、ということでした。 能の、指揮する者がないまま太鼓、笛、鼓、地謡が見事なハーモニーを奏で、軽やかに能楽師が舞う、というスタイルは、欧米の演劇や舞踊からみるとかなり前衛的に見えるらしいのです。 前衛劇がはるか以前から日本人の教養であり娯楽であったことは、驚異的なことです。↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
精神障害

初診察

昨日の夕方、今年初めての診察がありました。 調子が悪いときは診察日が待ち遠しく、話したいこともたくさんあり、時間もかかるのですが、このところまずは順調なので、とくに話すこともなく、雑談のようにして、それでも十分くらいは診てもらいました。 薬は変化なし。 もう一年ちかく、薬の調整は行っておらず、今の処方があっているのだろうなと思います。 障害者自立支援法の認定が今年3月で切れるので、更新のための診断書をもらいました。 今日行ったら、早手回しに所定の用紙に更新のための診断書が用意されていました。 親切な主治医です。  現在、双極性感情障害という病名で、認定は重度かつ継続、自己負担は月1万円を上限として治療費の1割です。 障害者自立支援法の適用を受けなければ、3割負担になりますので、ずいぶん助かっています。 これら各種福祉制度を支えてくれている納税者のみなさんに感謝します。↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
映画

ドッペルゲンガー

寒い土曜日、もう一人のクロサワ、黒沢清のDVDを鑑賞しました。 「ドッペルゲンガー」です。  一般にドッペルゲンガーというと、自己像幻視とも呼ばれ、自分とそっくりの人間を目撃し、そのすぐ後に死亡する、という西洋の伝説ですが、日本でも影の病と言われ、民間伝承に見られます。 しかし本作は、自己像幻視というよりやんちゃなそっくりさんが現れて生活を滅茶苦茶にされる、というブラック・コメディっぽい内容で、E.T.A.ホフマンの「悪魔の霊酒」等にみられる幻想的で浪漫的なイメージを破壊しています。 多分、ドッペルゲンガーである必要性はなかったのだろうと思います。 双子の兄弟でも、他人の空似でも。 そういう意味では、ドッペルゲンガーという言葉にまつわる幻想的で怖ろしいイメージを騙って商売に走ったと言えなくもありません。 そういうあざとさを抜きにこの映画を観ると、じつは人間の欲望や人生の不条理をブラック・コメディに仕立て上げた大人の鑑賞に耐えられる名画と観ることができます。 役所広司が、研究一筋でくそ真面目な医療用ロボットの研究者と、それとは正反対のいい加減で享楽的なドッペルゲンガーを好演しています。 ...
社会・政治

新内閣

菅改造内閣が発足しましたね。 なんといっても与謝野大臣が注目のまと。 昨日まで民主党を批判していた人が、わずか2日ばかりの間にたちあがれ日本を離党し、民主党内閣の目玉大臣になっているのだから驚きです。 新聞やニュースなどでは、消費税増税の請負人であるかのような報道ぶり。 とりあえずはお手並み拝見というところでしょうか。  枝野官房長官も目玉ですね。 46歳というのは歴代最年少だそうですね。 さぞかし優秀な人なんでしょう。 しかし事業仕分けで見せた傲岸不遜な態度を思い出すと、まだまだ修行が足りないぞ、と言いたくなります。 78歳の藤井元財務大臣が官房副長官とか。 それならいっそ、90歳を超えた政界の御大、中曽根大勲位に副総理でもお願いしたらいかがでしょう? 重みのある内閣になりますよ。 ↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
思想・学問

引きずりださないで

病気休暇から抜け出して、9ヶ月目に入りました。 最近私が気になるのは、引きこもりと呼ばれる人たちです。 私も病気休暇の最初の頃は、ほぼ引きこもりだったわけですから。  内閣府の調査では、現在70万人の引きこもりがおり、予備軍は155万人いる、と推計しています。 これは驚愕の数字ですね。 しかもこの内の多くは親元で暮らし、親の収入で食っているわけです。 甚だしきにいたっては、60代の引きこもり男性が90代の親の年金で暮らしているとか。  私は休職していた間、給料をもらっていましたし、定期的に職場と接触し、復職へのロード・マップがありました。 それでも、このまま良くならないんじゃないか、とか、もう退職したほうがいいんじゃないか、とか、もう十分に生きたからそろそろ楽になろうか、とか、負の感情に支配されることがしばしばでした。  それを思うと、無職で十年も二十年も自宅に引きこもっている人の心境は、察して余りあるものがあります。 きっと家族や親類、ご近所から心ない言葉をかけられることもあったでしょう。 また、マスコミなどが偏見に満ちた報道をし、傷つけられたことも数知れないでしょう。 毎日が長く、...
思想・学問

恋愛は利己的?

某有名女子大学の心理学の講義で、恋愛は本質的に利己的である、という命題についての討論が行われたそうです。 冒頭、この命題の是非について尋ねたところ、是とする者が9割、非とする者が1割だったとか。 この討論に参加した女子大生の圧倒的多数が恋愛は本質的に利己的である、と感じていたわけです。 好きになるのも自分の都合、告白するのも自分の都合、プレゼントを贈るのも相手に好かれたいという自分の都合、自己犠牲的な行動にでるのも相手に好かれたいという自分の都合。 すべての行動が自分の利益にかなうかどうかで行われている、というわけです。 なんか、元も子もないというか、ずいぶん冷めちゃってますねぇ。 若い女子大生ならもう少し恋愛に夢や希望を持っても良さそうなものですが。 この論法を使うと、あらゆる行為が利己的になっちゃうんですよねぇ。 キリストが磔になったのも、己の信念を貫きたい、という自分の都合。 特攻隊員が志願したのも自国の戦局を有利にしたいということと、英霊として祀られたいという自分の都合。 自殺するのも憂き世から逃れたいという自分の都合。 でもこれ、なんか違和感を感じます。 わずかでも利己的な感...
思想・学問

儀式

日本で大人になるということは、どことなく曖昧な感じがしますね。 それというのも、日本では、大学に進んでも、就職しても、実家に住み続ける人が多いからです。 国によって様々な事情があるのでしょうが、例えば米国などでは、就職しても親元にいるというのは、異様なこととされているようです。 いわば親元を離れるということが、大人になる儀式ということでしょう。  ある社会学者が、日米の大学生にアンケート調査を行いました。 大人として認められる条件を問うものです。 米国はシンプルでした。 仕事をして社会に貢献すること、家事などの家庭生活に貢献すること、教会などの地域社会に貢献すること、この三つです。 日本ではこの三つのほかに、親の面倒をみるだとか、ご近所付き合いをするだとか、親族としての役割を果たすことだとか、色々とややこしい条件をつけています。 これは親と同居するかもしくは近所に住むことが必要であり、ここいらあたりに就職しても親元を離れないことを当然視する理由があるかと思います。 また、同じ学者の調査によると、米国の教育においては親元を近い将来離れることを前提にカリキュラムが組まれており、その際一個の...
思想・学問

共感覚

共感覚というものをご存知でしょうか。 通常の感覚の他に、別の感覚を感じてしまうことです。 例えば文字に色がついて見えたり、絵を観ると音楽が聞こえたり、食感に形を感じたりすることで、これは極めて鮮烈に感じるそうです。 多くは子どもの頃に自分は他人とは違う感覚を有しているらしい、と気付き、隠そうとする、とのことです。 精神疾患や知的障害と異なり、日常生活に不便は感じないため、障害とは見なされず、病院を訪れる者はまれだということです。 卑近な例でいえば、女性たちの声援を黄色い声などと呼びますが、共感覚者は比喩的にではなく、実際の知覚として、その声を聞くと黄色が見えてしまう、ということです。 有名人では、宮沢賢治や、レオナルド・ダ・ヴィンチ、アルチュール・ランボーなどが知られています。  ランボーに「母音」というソネットがあります。  A は黒、E は白、 I は赤、U は緑、O はブルー  母音たちよ、何時の日か汝らの出生の秘密を語ろう  A は黒いコルセット、悪臭に誘われて飛び回る  銀蝿が群がって毛むくじゃら そのさまは深淵の入江のようだ  E は靄と天幕の爛漫さ、とがった氷の槍  白衣...
社会・政治

させていただきます規制法

最近巷で溢れかえっている言葉に、させていただく、がありますね。 鳩山前総理はじめ民主党のお歴々がこれを連発して辟易したことは、以前このブログにも書きました。 言葉は生き物で、時代とともに変化していく、と言われます。 それはそうなのでしょうが、あまりにも急激な変化によって、奇妙な言い回しに違和感を持たない世代と不快に感じる世代とで摩擦を起こすようでは、自然な変化とは言えないでしょう。 ら抜き言葉はもはや市民権を得た感がありますが、私はこれにも強い違和感を覚えます。  しかしなんといっても、現代の日本語で最も奇妙なのはさせていただく、の多用でしょう。 本来、させていただくは、目上の人が目下の人に対して使う謙譲表現で、例えば社長が会議の議長を務める場合、「議長をつとめさせていただきます」などと言いますね。 これは一番偉い社長だけど、部下の気持ちを汲んで、あえてへりくだって言うわけです。 一方、その会議で、係長が「私が議長を務めさせていただきます」と言えば、それは何が何でも俺が議長をやるんだ、文句は言わさん、というほどの、強い意志を示す言葉になります。 つまり目下の人が目上の人に対して謙譲表現...
スポンサーリンク