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映画

ゴースト・ファンタジー

夏といえば怪談ですが、22年前の邦画で、幽霊とのふれあいを優しく描いた佳品があります。 「異人たちとの夏」です。 まだハリウッドの名作「ゴースト」が製作される前の作品です。  妻と別れた風間杜雄演じる中年男が、死んだはずの両親に再会します。 両親は主人公と同年輩です。 下町の小さな借家で、主人公は懐かしい両親と、昔ながらの生活に触れます。 浅草ですき焼きをごちそうになったり、小言を言われたり。 主人公は両親との甘い時間に陶酔していきますが、次第に衰弱していきます。 衰弱の様子を見て、ここが潮時と、両親はあの世に戻っていくのです。 両親との二度目の別れです。 そのとき、中年男は人目もはばからずに泣くのです。 両親との再会と時を同じくして、中年男は新しい恋人を得ており、恋人との関係も良好なのですが、両親との別れのあと、恋人は・・・、後は小説なりDVDなりでお楽しみください。 多分この映画の後、幽霊と親和的な物語が展開する映画やドラマが増えたように思います。 怖いだけではない、切ないゴースト・ファンタジーです。異人たちとの夏 山田太一松竹ホームビデオ異人たちとの夏 (新潮文庫)山田 太一新潮...
文学

夢かうつつか

今週も週末を迎える頃となりました。 大過なく過ごせていることに、まずは感謝。 猛暑、猛暑と言っていましたが、お盆を迎えて、今週は少し涼しかったように思います。 立秋も過ぎて、秋の気配でしょうか。 花見だ、若葉だ、梅雨だ、夏休みだ、月見だ、雪見だと、そしてまた正月だと、あわただしく時が流れるのは人の世の常でしょうか。 昨日まで 花の散るをぞ惜しみこし 夢かうつつか 夏も暮れにけり 源実朝の歌です。 「金塊和歌集」を残して、三十前に甥の公卿に暗殺されてしまいましたね。 正岡子規はこの人の歌を絶賛して、もう10年生きていれば、どれだけ名歌を残しただろう、と惜しんでいます。 惜しいけれども、長生きしてつまらぬ歌を残したかもしれず、今残っている実朝の歌を楽しむ他ありますまい。 私はただ、時のうつろいに身をまかせるほか、生きようがないとおもうのです。金槐和歌集 (岩波文庫)源 実朝,斎藤 茂吉岩波書店われて砕けて―源実朝に寄せて石川 逸子文芸書房
思想・学問

異性装

最近、男性用ブラジャーというのが発売され、けっこう売れているらしいですね。 女装や男装など、実際の性と異なる衣装を身につけることは、古くからおこなわれてきました。 白拍子が男装をして踊ったり、古代ギリシアでヘラクレスに仕える神官(男)は女装していました。 農家の田植え祭りなどで13から15歳の少年に女装させることは広く日本各地で見られます。 また、舞台芸術の分野では、歌舞伎や能で男が女装して女を演じます。 宝塚はその逆ですね。 映画「1999年の夏休み」では、登場人物の少年すべてを少女が演じ、カルト的な人気を誇っています。 このような、異性装への嗜好は、どこからきているのでしょうね。 文学の世界では「とりかへばや物語」というのが最も直接的ですね。男らしい女児と女っぽい男児の二人を取り替えて育てる話です。 また、男の作家が女目線で小説を書いたり、女流作家が男を主人公として書いたり、ということはよく行われます。 一種の変身願望と見るべきか、あるいは性を超えた神秘的な存在へのあこがれなのか、よくわかりません。 私も幼少の頃、母親の口紅を塗って遊んだりしたことがあります。女の子の格好をしたいと...
社会・政治

兵士

『早うくたばった兵隊を見ても「楽をしたでいいな」と思うだけだった。』 『ハエを叩いてね、ハエを食ったやつもいたもんな。動けんでおると、ハエがいっぱいたかってくるやん。叩くだろう、ほいで食っちまう。ああいうの、「餓鬼」っていうんやないかな。』 『敵さんが倒れると、その死体を引きずっていって、焼いてね、食べちゃったけどね。狂っていたのか、わからんような状態。』 『俺が死んだら食べてくれとは何と情けない話だ。蛆虫共に食われるよりも戦友に食べられるほうが良い。』 上記は「証言記録 兵士たちの戦争」4巻からの引用です。 ガダルカナル島で補給を断たれ、それでも拠点を死守せよとの命令が出、死を待つような絶望的な戦闘状況を当時の兵隊から聞き取り調査したものです。 上記のような凄惨を極める証言がびっしりと埋まっています。  兵隊にとられても内地勤務だったり、朝鮮半島などの戦闘がない場所に配置された人もいれば、生き地獄のような過酷な戦場に送られた人もいるでしょう。 これは、現在の会社や役所などの組織でも、人事異動で悲喜劇が繰り返されるのと一緒です。  このような書物を前にして、感想など何もありません。 私...
精神障害

病名

ここ十年ばかりの間に、精神科の病気は病名がずいぶん変更になりました。  精神分裂病⇒統合失調症 躁鬱病   ⇒気分障害又は双極性障害 うつ病    ⇒気分障害や適応障害など。うつ病という病名も使われる。 そのなかで、最も患者数が多く、比較的偏見が少ないのがうつ病でしょうね。 皇太子妃殿下も適応障害に苦しんでずいぶん長くなります。 うつ病に関しては、テレビや雑誌でもよく取り上げられますし、書籍もたくさん出ています。 企業の研修なんかでも、メンタルヘルスの重要性を説くとき、第一番に取り上げられるのがこの病気です。  それでも、私はこの病気に苦しんでいた頃、怠け病とか仮病じゃないか、といった偏見に何度もあいました。 統合失調症は患者及び家族が、精神分裂病という名前は実態に合わないし、偏見を助長する、と改名を要望したものだそうですね。 統合失調症に対する偏見は強く、精神病院に閉じ込められている人格崩壊者のイメージがいまだに残っているようです。 私が参加している精神病患者の自助グループで知り合った統合失調症患者は、まるっきり普通でした。フルタイムで会社に勤めている人もいましたし、自らNPOを立ち...
精神障害

なんだか

白けちゃいました。 今日一日休んで。 就職して19年。徹夜したこともあったし、深夜残業もありました。ほとんど怒鳴りあいのようなことも、仕事をする中ではありました。 でも今は、静かに、大人しく、ただ定時が来るのを待つばかり。 こうなった経過は、私自身が一番よく知っています。 その時々に、良かれと思ってとった精一杯の行動の結果です。 知ってはいるけど、やってらんねぇ、というのが素直な気持ちです。 ではどうなりたいか、と考えると、フリーズしちゃいますね。 忙しいのはいやだし、やることがないのもいや。 出世するのもいやだし、後輩に使われるのもいや。 いやいやづくしです。 できることは、相変わらず今の職場に通って、定時を待つこと。 それを毎日繰り返して、信頼を取り戻すこと。  それにしても食うということは、大変なことですねぇ。
映画

ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女

スウェーデンの大型サスペンス「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」を観ました。 スウェーデンの孤島で40年前に姿を消した少女。その真相を探るべく、記者と天才ハッカーの女が雇われます。 美しく、そして寒々しい孤島の自然を背景に、怖ろしい謎が少しずつ、明らかになっていきます。 ユダヤ人差別、快楽殺人、近親相姦、児童虐待、尊属殺人、大企業の闇、様々な要素が複雑に絡み合って、まるでフルオーケストラのように圧倒的な迫力をもって大団円へと突入していきます。 難をいえば、大風呂敷を広げすぎたこと。少し嘘っぽくなっています。同時に、大作ならではの鼻につく感じが気持ち悪いですね。小品のような、浪漫的美は感じられません。 それでも、サスペンスとして第一級の作品です。ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 ノオミ・ラバス,マイケル・ニクヴィスト,スヴェン・バーティル・トープ,ステファン・サウクアミューズソフトエンタテインメント
映画

スペル

今朝、仕事に行く準備万端整えて、20分くらい横になったら、爆睡してしまいました。 やむを得ず、今日はぽか休です。 そこで、DVDを観ました。 「スペル」です。  「死霊のはらわた」の名匠サム・ライミ監督渾身の一作です。ストーリー展開、恐怖シーン、ラストのオチ、どれをとっても最高です。 多分ホラーファンではない人たちを想定して作られたのではないか、と思わせるような、古典的な作りには、安定感があって、安心して観ていられます。 作り物としての恐怖譚という意味では一流です。スペル コレクターズ・エディション アリソン・ローマン,ジャスティン・ロング,ローナ・レイヴァー,ディリープ・ラオ,デヴィッド・パイマー東北新社死霊のはらわた サム・ライミJ.V.D.↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
思想・学問

キリスト者

本堂の ツリーまばゆい 保育園  都合よく 神と仏を およびして 上のような川柳が生まれるように、わが国民は宗教に対して誠に寛容。 八百万もの神様がおられる国ですから、三世の諸仏が入ってこようとアッラーの神が入ってこようと、どうってことありません。 八百万という神々だって、だいたいそのぐらい、という程度の意味ですから、実際に何柱になるのか、さっぱりわかりません。  そのような宗教的バックボーンを持つわが国で、キリスト者として生きるのは大変困難なことだろうと思います。 キリスト者は、日本という多神教的もしくは無神論的社会のなかで、聖書の教えに従って、永遠の汝=神との関係性を第一として生きなければなりません。 精神的にそのことが可能であったとしても、教会は現実に存在する組織です。これを維持し、布教を続けるには、先立つものが必要です。 而してキリスト者は、異教の社会で、聖書に忠実に、しかも金を儲けなければいけないのです。なんという苦難。 キリスト者たろうとするのは、この日本ではイバラの道を歩むことなのです。 翻って、仏教や神道。 じつはこちらも、キリスト者と事情はそれほど違いません。 日本人...
思想・学問

出自

平成12年度から平成14年度まで勤務した部署は、日本全国から集められた多くの人々からなっていました。 その部署に配属されることを、全国の事業所では人さらいと言って恐れていました。 北海道から沖縄まで、じつにさまざまな人に出会いました。 たこ焼きやお好み焼きをおかずにご飯を食べる関西人にも会いました。噂は本当だったのだ、と驚きました。 九州の人は、宴会のとき刺身醤油をよこせ、とひと騒動起こしていました。 五島列島から来た人は、飲みに行くたびに潰れるまで飲んでいました。 北海道の人は平等を何よりも重んじる風でした。そして意外に寒がりなのです。気持ち悪いくらい暖房を効かせていましたね。 北関東の人は、男気溢れる人が多かったですね。 そうかと思えば、水戸出身なのに納豆を親の敵のように嫌っている人もいました。 京都の女性は面倒くさかったし、東東京出身者は短気でしたね。 沖縄の人は絶対に日本酒に口を付けようとせず、終始焼酎を飲んでいました。 狭い日本ですが、幕藩体制が長かったせいか、土地による気風の違いというのは明らかにあるように感じましたね。 そこで私は、おのれの出自ということを考えずにはいられ...
社会・政治

長崎の原爆

じつは私は、母が幼少の頃長崎で被爆した被爆2世です。  そのせいか、あるいはそれなのに、私は8月のマスコミが垂れ流すセンチメンタルな被害者面が、腹が立つほど憎いのです。 戦争で人が死ぬのに、拳銃も通常爆弾も原爆も変わりはありません。その人にとっては、ただ苦しんで死ぬのです。 それを原爆被害者ばかり悲劇のヒロインのように仕立て上げるそのあこぎさは、詐欺師の技ともいうべきでしょう。 日本人も中国人もイギリス人もアメリカ人もドイツ人も、個々人の被害が悲劇的なのは同じことです。 戦争による悲惨ばかり言いたてたところで、将来の平和になんの役も立ちません。  悲惨だといえば、応仁の乱も、前九年の役 も、後三年の役も、日清日露も、みな悲惨です。  しかしなぜか、日本人は太平洋戦争の悲惨ばかり強調するのです。  直近の負け戦だからでしょうか? 二度の世界大戦に参加した国家の国民として、悲惨ばかり言いたてるのは、あまりにも不真面目だと思います。 戦争に至ったその経過、理由、当時の世論などを、全国民がつぶさに学ぶべきです。 起きてしまった後は、死力を尽くして戦うのが当然ですから、戦争の被害や加害を知るより...
映画

ディセント

サバイバル・パニック・ホラーの金字塔、「ディセント」及び「ディセント2」を一気に観ました。 昨日リワークのOB、野郎ばかり8人で久しぶりに飲み、今日は休暇をとったのです。 前人未到の洞窟に探検と称して入っていく女たち。 洞窟の暗闇と狭さにパニック気味になり、仲間割れやいさかいを起こしながら、どんどん奥底へと進んでいきます。 そして洞窟の奥には、暗闇で生きてきた生物がいて、女たちを恐怖に陥れます。 閉所、暗闇、アップダウン、仲間割れに加えて未知の生物。 もうB級ホラーとしては最高です。 女たちが未知の生物たちに対してどんどん戦闘能力を高めていくのが笑えます。 べつに化け物ではないので、そんなに強くないのです。 彼らにしてみれば、洞窟の奥深くで暗闇に適応して平穏に暮らしていたのに、ライトを持ちこんできゃあきゃあ叫んで仲間を殺して回る女たちのほうがよほど化け物に見えたし、怖かったことでしょう。THE DESCENT ニール・マーシャルエイベックス・マーケティング・コミュニケーションズディセント2 シャウナ・マクドナルド,ナタリー・メンドーサ,クリステン・カミングス,ギャヴァン・オハーリヒー,...
社会・政治

タリバン

昨日の新聞に、鼻と耳を切り落とされた若い中東の女性の写真が掲載されていました。 12歳で無理矢理タリバンの兵士と結婚させられ、夫の暴力に耐えかねて18歳で家出したところ、捉えれれて、夫に恥をかかせた罪により、タリバンに鼻と耳を切り落とされたそうです。 今は人権団体に保護され、アメリカで整形手術を待っているとか。 イスラム社会では犯罪者に対する罰として手や足をちょん切る、という話は聞きますが、まさか夫の暴力から逃れるための家出を犯罪とし、しかも厳罰を与えるとは。 日本だったら夫が犯罪者です。 私にはどうすることもできません。 せめて悲しむだけです。 ところ変われば品変わる、とは言うものの、なんとも残酷な話です。 イスラム教が持つ暴力性を垣間見た気がします。 イスラム穏健派はイスラム教は平和な教えだと言いますが、これほど世界中で問題を起こしている宗教は他にありません。 イスラム穏健派の主張は、私には信じることができません。  多様性を認めるおおらかさを持ってほしいものです。 イスラム教徒にバーミャンを爆破されても、抗議しただけで報復など考えもしなかった仏教徒のように。タリバン (光文社新書...
美術

現代の茶

虎ノ門の智美術館に行ってきました。 展覧会は、「現代の茶」です。 現代の陶工の手による名品の数々が展示されていました。 茶道具を美術館で観るのは歯がゆいですね。 どうしても、手にとって観たくなります。 茶道具は洗練された機能美が魅力だと思いますが、今回の作品は、奇をてらった、前衛的な道具が多かったように思います。 これで一服いただきたいものだ、というような道具は残念ながらありませんでした。 帰りは暑い中、赤坂のあたりをぶらつきました。 今日は立秋ですが、そんな気配はありません。 セミの声が、騒々しく、暑さを倍増させたのです。智美術館のHPです。
社会・政治

子孫のために

私は、子や孫のために、現在の核保有国は核兵器を保持すべきだと考えています。 広島の式典に米英仏の代表が参加したと喜んでいますが、三国とも、将来の核廃絶を望むと言うばかりで、自国の核を減らすとは、一言も言いません。 仮に、核保有国がこぞって核を廃棄した場合、世界は、その瞬間から核の脅威に怯えることになります。 なぜなら、ここを先途と、テロリストや国際協調など歯牙にもかけない国家が、いつ核を保有するかもしれないからです。 いってみれば、人殺しの道具を持つのは良くないと、おまわりさんから拳銃を取り上げた途端、拳銃を利用した事件が頻発するようなものです。 戦後、わが国では、平和ということが絶対的な価値であるかのような幻想にとらわれてきました。 しかし、世界には、正義のためには殺し合いをいとわない人々が大勢いるのです。もちろん、その正義とは普遍的なものではなく、その人々が思う正義です。 そんなことは、新聞を毎日読んでいれば、迫力をもって、いやでも胸に響いてきます。 戦国時代、鉄砲があれほど素早く日本全土に普及したのは、勝つためでした。飛び道具とは卑怯なり、と言ったって、効率的に敵を殲滅できる道具...
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