REC

映画

 夜、DVDでスペインのパニック映画「REC」を観ました。
 「ヴレア・ウィッチ・プロジェクト」や、「クローバーフィールド」等と同様、登場人物の視点のみから撮影された映画で、この種のもののなかでも、特に迫力がありました。
 
 2007年。スペイン、バルセロナ郊外。ローカルTV局の若い女性レポーター、アンヘラはカメラマンと共に消防隊の密着取材をしていた。
 深夜、老婆の叫び声を聞いたという通報を受けて現場アパートに急行すると、そこにはこの世の者とは思えぬ老婆の姿があった…。その後、突如、封鎖されるアパート。その中で拡がり出す“ある病原菌”。閉ざされた空間で、究極の恐怖に直面することとなった人々には、隠れ、逃れ、必死に生き残ろうとする以外、術がなかった。
 次第に露わになる謎、明らかになるほど増していく恐怖の出来事を克明にカメラはとらえ続ける。女性レポーターとカメラマンが最後の一瞬まで記録しようとしたもの。それは、逃げ場のない、戦慄の事実。

 私は、いわゆる日本浪漫派の文学を専攻しました。そこには、常にこの世ならぬ物への予感が描かれています。

  三島由紀夫の「美」。能の「幽玄」。「源氏物語」に代表される日本中古文学に登場する怨霊や物の怪。

 私はこの世ならぬものへの予感と憧れに動かされて、物語や美術に接してきたように思います。

 物事の本質は、理屈や現実ではなく、予感からしか、見えてこないと思うのです。

REC/レック スペシャル・エディション [DVD]
マニュエラ・ヴァラスコ,フェラン・テラッツァ,ホルヘ・ヤマン,カルロス・ラサルテ,パブロ・ロッソ
Happinet(SB)(D)