DVDで「SAW」シリーズ5作を全て観ました。6は今年3月に発売される、とのことです。
一見、ホラーかと見まがうようなパッケージですが、内容はサイコ・スリラーです。
通称ジクソウという名の犯人が繰り広げる、連続殺人を描いています。ジクソウは末期がんに侵された余命いくばくもない老人で、生きていることに感謝しない者を激しく憎んでいます。
そして、道徳的で無い者や命を粗末にする者に巧妙な罠を仕掛けます。
極めて困難な課題を短い期限で与え、それをこなさなければ死んでしまうように仕組むのです。黙って死を待つか、あえて困難な課題、それも自らの体を激しく傷つけなければ達成不可能な課題にチャレンジして、わずかな生存の可能性に賭けるか、どちらかしかありません。
「選ぶのはお前だ。決断しろ」というのが、決めゼリフになっています。
そんな極限状況のなかで、被害者は人間の本性をむき出しにしていく、その過程が、怖ろしいのです。
ジクソウは、決して直接手を下すことはありません。
被害者自らの行動の結果、死がもたらされるのです。
「羊たちの沈黙」シリーズを彷彿とさせる、非常に上質で、怖ろしく、人間の獣性というものを考えさせる、名作シリーズであるといえます。
私は非常な感銘を受けました。
是非、ご覧になってください。